梅花がもう盛りを過ぎて、春もすぐそこかな、なんて思っていたらいきなり雪が降り、花粉まで襲来して来ましたね。なかなかのんびり散歩も出来ません。
そんなこの頃ですが、以前からお知らせしていましたニューアルバムがリリース開始となりました。 アルバムタイトルは「REFRACTIONS 屈折」 。メキシコのCERO RECORDS (www.cero-records.com )というレーベルからのリリースです 。
このアルバムはNY大学のエルテル・ラムネックさん(Esther Lamneck)と、メキシコ在住のサウンドクリエーター アレハンドロ・コラビータさんと私の3人で創り上げたものです。ハードなアンビエントという感じでしょうか。 Youtubeでも聴けますので、是非お聴きください 。
Refractions – Kussestu – YouTube
エステルさんはクラリネットの原型といわれるタロガドという楽器の演奏家で、昨年7arts cafeのジョセフ・アマトさんに紹介されました。お店でセッションした所からやり取りが始まって、アレハンドロさんも加わって3人とも全てネットを介して音を送りあって創り上げたものです。私としても初めてのスタイルでのアルバム制作でしたが、思った以上なものが出来上がりました。
作曲をしていると、常々感じるのですが、創作というのは何か新しいものを創り出すというより、大地の奥に眠っているものを掘り起こし、それに命を与えるような行為に思えるのです。当然形を成す時にはこの時代のセンスで創るので、今迄に無い形を纏い、新たなものとして誕生するのですが、大地に眠っているものはいつの時代も同じ。それは神話の時代から変わっていないような気がしています。
例えば製鉄などが良い例で、大地の中から鉄を取り出し、それを武器にしたり、農具にしたり、車にしたりする。勿論食料も大地から掘り起こされて命と成って、それを頂く事で人間は生きているのです。大地からものを創り出すのが人間の叡智であり文明なのですが、結局この世の総ては大地の中にある物で出来ていて、それによって人間は生かされているのです。常に目の前の利便性を求めて、自分の小さな頭で正義正統を判断する俗欲に駆られている人間は、創り出す事ばかりに執心していますが、現代人はもはや大地は見えていないといっても過言ではないと思います。それが現代社会に生きる人間の姿ではないでしょうか。昨今は各地で戦争も始まり世の中がかなり流動的で不安な時代に入って来ましたが、こういう時こそ、人間の命の原点に視線を向けて行かないと、人類は滅びてしまいかねないと私は感じています。
音楽も今やショウビジネスに侵され消費されるものになっています。音楽家側は売る事や肩書ぶら下げて誇示する事が優先して、リスナー側も流行を追わされているばかりでは、音楽は大地の響き鳴らすことは出来るのでしょうか。この大地から湧き上がるものを音楽として創造するのが我々の仕事。今一度命の根源に想いを巡らせて、大地から沸き上がるものに向き合いたいものです。

この寒さが過ぎると、命が旺盛に輝く季節となります。現代は様々な問題が渦巻いて、理想だけではもうこの世は回りませんが、少なくとも、この世紀を戦争の世紀にしてはいけない。
春の陽射しが世界に降りそそぐ事を期待したいですね。





