鶴見歴史の会主催による総持寺紫雲臺での「源氏物語講座」、琵琶樂人倶楽部の新シリーズ「平家物語を知ろう」は無事終わりました。もう少しすっきりと話せるようにしないといけないですね。特に源氏物語を語るにはまだまだ勉強が足りません。会場となった総持寺の紫雲臺は以下の写真のように本当に素晴らしい大広間で、私にはもったいないくらいの場所でした。源氏物語の話より琵琶の話の方が多かったですが、とりあえず好評だったようですので、何はともあれ良かったです。平家物語の方は東洋大学の講座でも秋にやりますので、それに向け更に深めて行きたいと思っています。
少し前になりますが、ちょっとした打ち合わせがあり、久しぶりに青梅~奥多摩に行ってきました。少し時間がありましたので御岳迄渓谷を歩いたりして、随分と充電させてもらいました。
私は青梅から奥多摩辺りはとても好きで、30代の頃から時々行っていたのですが、やっぱり自然の中に身を置いていると気持ち良いですね。心も穏やかになって行きます。今居る杉並も部屋の中に居れば、まあ普通に静かなのですが、救急車のサイレンや人の喋り声等都会の喧騒からは逃れられません。人間生きていれば、どこに居てもストレスは尽きないものですが、自然な環境の中に居る時と、ビルと人込みのはざまに居る時では心の安定が随分変わります。
2011年「風の軌跡」レコーディング 相模湖交流センター
しかし音楽は、そんな人の集まっている所にこそ存在し、また音楽家はそんな社会の中でこそ活動して行けるという現実もありますので、いつも気持ちの良い所に身を置いてのんびりしている訳には行きません。左の写真は2011年のアルバム「風の軌跡」のレコーディングの時のもの。樂琵琶のアルバムという事もあり、気分を変えてゆっくり録音したいと思って、相模湖交流センターのホールを借り切って録りました。ここは相模湖畔にあるホールで響きがちょうど良く、のんびりとした中で録音する事が出来たせいか、このアルバムはとても記憶に残る作品となりました。今でもこの中の曲をよく演奏しています。来月も宮ヶ瀬湖近くで演奏会があるので楽しみです。
青梅には、もう10年??15?程前から必ず行っている喫茶店「夏への扉」に、今回も寄ってきました。何故かいつ行ってもお客さんは誰も居なくて、今回も誰も居ませんでした。店内はレトロ感が溢れていて、静かで落ち着きます。昔は診療所だったそうで、地元の方は「昔は何だか怖い所だったんだよ」とのこと。
小さな喫茶店なんですが、線路をまたぐ橋のすぐ脇にあり、この空間が何とも好きなんです。私は前にも書きましたが、色んな町に行って喫茶店巡りをするのが趣味みたいもので、行くとこ行くとこで、良い感じの喫茶店を見つける嗅覚があるんです。
過去記事「喫茶逍遥」
喫茶店マニア界隈には有名な所のようです。お勧めですよ。都会とは違う時間が流れてます。
青梅では、かなり前に繭蔵という所で演奏会をやって、2018年には宗建寺というお寺で演奏したこともありますが、これからも是非青梅で演奏する機会を持ちたいですね。
また青梅の名物ともいえる居酒屋「銀嶺」も健在。カウンターだけの小さな居酒屋なんですが、おかみさんが一人で切り盛りしている抜群のレトロ感がたまらない場所です。今回は時間が無かったので寄れませんでしたが、午後3時過ぎには既にお客さんがカウンターで飲んでました。
私は静かな所に居たいという気持ちが年々強くなっています。特に夜が静かな所に居たいですね。高円寺や阿佐ヶ谷の夜の盛り上がりは好きですし、皆で気軽な居酒屋さんに呑みに行くのも好きなんですが、空間が無く、人が多すぎる都会はそろそろ卒業という感じかな。そんな私には青梅辺りがちょうど良いかなと、今回久しぶりに行ってみて思いました。しかし現実は駅前のビルが解体されていて、駅周辺のレトロな界隈から少し離れると、そこはもうベッドタウンと化していました。結局私は自分にとって理想的な緑あふれた景色しか見ていないという事です。安息の地はまだまだ遠そうです。
以前にも書きましたが、私の音楽活動は5年または10年の単位で徐々に変化して行くのを感じます。自分でコントロールしている訳ではないのですが、ふと気がつくと活動の在り方が変わっているのです。年齢と共にとも言えるかもしれませんし、何かに導かれているとも言えるかもしれませんが、とにかく緩やかにそして確実に変化しているのです。そんな私が安息の地に辿り着く事は出来るのか。最近そんなことをつらつらと考えます。きっと時期が来れば安息の地への扉もすっと開くでしょう。一気に開く扉ではないと思いますが、徐々に行くべき所に導かれているような気もしています。これからの人生を楽しみたいですね。