明けましておめでとうございます。
大分世の中動き出してきましたが、まだコロナ禍の只中に在る状態ではありますが、どんどんと活動は展開して行こうと思っています。
私の仕事始めは琵琶樂人倶楽部からです。
琵琶樂人倶楽部 : 2022年の年間スケジュール (blog.jp)
今年も例年通り薩摩琵琶三流派対決が1月12日にあります。琵琶職人でもある石田克佳さん、そして久しぶりの登場、古澤月心さんです。
昨年15周年を迎え、今年は2月の会で170回目となります。昨年初出演の石橋旭姫(筑前琵琶)さんが今年も九州からやって来てくれます。また少しづつ出演する面々も新たな方が出てきました。今年の初出演はフルートの西田紀子さん。芸大を卒業後、現在はシエナウインドオーケストラの一員として活躍しながら、様々なジャンルの方と共演を重ねている若手です。ご期待ください。
そして今年は新企画で、今琵琶の稽古を頑張っている方にも出てもらうという企画をしてみました。20代、30代、40代、そしてベテランの方に演奏して頂きます。お浚い会のように習った曲をやるのではなく、オリジナル曲など自由に演奏して頂きます。琵琶人のすそ野を広げて行くという事で、こんな機会を作るのも私の役目かなと思いまして企画してみました。実は一昨年からのコロナ禍のせいか、琵琶を習ってみたいという方がにわかに増えています。きっと私の知る以外でも琵琶を始めたか方も多い事と思いますので、そんな方を応援する機会も是非創りたいと思っていました。
楽琵会にて Vnの田澤明子先生と
そして私自身は琵琶樂の新たな分野を拡大して行こうと思っています。先ずは昨年からやっています洋楽器とのデュオです。奇をてらったポップス邦楽ではなく、宮城道雄先生の「春の海」の創作精神を受け継ぐような新たな日本音楽を創り上げて行きたいと考えています。今月は以下のようなサロンコンサートをやります。場所となる7rtscafeは横浜日ノ出町に出来た、Dr.ジョセフ・アマトさんが展開するイベントスペース&カフェで、天井が高く響きの良い所です。
1月23日(日) 7artscafe 15時00分開演 イベントカレンダー (7artscafe.co.jp)
この場所では定期的なライブを予定していまして、4月にはメゾソプラノの保多由子先生を迎えて、琵琶歌の新たな展開を聴いて頂きます。日曜の昼間なので、気軽にお越しいただけると思います。是非是非ご参加ください。
そしてまだ作曲が追いついていませんが、もう一つ雅楽器と薩摩琵琶の組み合わせでの作品も上演して行く予定です。時代が変わろうとしている今、日本の音楽全体がその感性を広げ、時代に沿い、先取りして行く位で良いと考えています。琵琶樂も日本音楽の現在進行形であり続けるよう、様々な試みをして行きます。
昨年開催の楽琵会にて
演奏家は演奏するだけで満足しがちです。しかし稽古したお得意なものをただやって自己満足で終わっているようでは、新たな時代には生きて行けません。リスナーはどんなものをやってくれるのかを期待しています。そこをしっかりと理解して、先ずは聞かせるだけの内容を持った作品を創り、内容充実でやって行きたいと思っています。
大きなホールでのコンサートは復活してきましたが、小さなサロンコンサートは、スペースの小ささからまだちょっと自由な開催が出来ていません。私の出来る範囲は小さいものですが、どんどんとやって行きたいと思っています。
これからもよろしくお願い申し上げます。
2021年の主な活動をまとめておきます。
2月5日「ベルベットサン配信ライブ」
3月8日「3.11響き合う詩と音楽の夕べ」
4月23日「イザナギの冥界下り UNIVERSITY of CREATIVITY」
6月26日「戯曲公演 良寛」中島新宿能楽堂」
7月17日「空間身体学的介入とパフォーマンス」
8月7日「ジャパンフェスタ in ADACHI 能による音楽朗読劇 銀河鉄道の夜」
ギャラクシティープラネタリュウムドーム
9月30日「能による持続可能性」野村総研研究所
9月21日「中秋月光浴」
10月2日「熱海未来音楽祭プレイベント LAND FES Vol.18」
10月3日「能でよむ漱石と八雲」あうるすぽっと
10月11日「現代を生きるための古典 平家物語」NHK文化センター梅田
10月16日「東洋大学伝統文化講座 日本の伝統文化と琵琶」東洋大学
10月17日「静岡大学地域応援連携プロジェクト」
10月24日「能でよむ漱石と八雲」りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
11月1日「古典の日フォーラム2021」京都劇場
11月6日「能でよむ漱石と八雲」熊本県立劇場演劇ホール
12月3日「異界を繋ぐ八雲の怪談 能と琵琶と語りと」島根県民会館
12月11日「Art of Manegement Program」日本生産性本部
12月28日「経営と脳科学研究会」
今年もあっという間に一年が過ぎて行きました。まだまだ世の中は不安定で、今後の見通しがつきませんが、そんな中に於いても様々に仕事を頂き、地方公演も色々とやらせて頂きました。本当に感謝の一年だと思っています。
昨年から続くコロナ禍で世の中が大きく変化して、演奏や集客、作品発表の事など、音楽活動も自分の感性も変化の時を迎えていると感じた一年でした。
和久内明作戯曲公演「良寛」チラシ 津村禮次郎氏 中村明日香各氏と
左:熱海桃山雅苑にて 安田登 町田康 巻上公一各氏と
右:「能でよむ」公演にて 安田登氏 玉川奈々福氏と
今年は、ずっと再演を続けている「良寛」の公演もありましたし、あうるすぽっと主催の「能でよむ~漱石と八雲」の舞台では東京~新潟~熊本をツアーで回り、同じ八雲関連では、八雲ゆかりの焼津や松江にて演奏して来ました。また安田登先生に声をかけていただいて、京都「古典の日」、熱海未来音楽祭、足立区こども科学館プラネタリュウムドームでの「銀河鉄道の夜」公演、各種企業セミナーなどでも演奏で参加させて頂きました。
横浜エルプエンテにて藤條虫丸さんと(photo 新藤義久)
面白い所では、ずっと話には聞いていた舞踏家の藤條虫丸さんのライブに、意外な所から声をかけていただき、久しぶりにインプロ系のライブを堪能しました。今後も面白いコラボが出来そうです。
琵琶樂人倶楽部の方は順調に回を重ね。15年目に突入。12月で168回目となりました。ずっと休止していた楽琵会も一応復活させることが出来嬉しく思っています(来年以降はまだ未定)。
また今年はヴァイオリンの田澤明子先生とのコンビネーションがなかなか良い感じになって来まして、メゾソプラノの保多由子先生との作品も色々と出来上がりつつあります。ヴァイオリンや笙、メゾソプラノなど、今迄実験的にやってきた事が、ここに来て一つの新たな形となって見えて来ましたので、これらの組み合わせによる作品を今後積極的に創って行きたいと思っています。日本音楽の根本のところをしっかりと掴みながら、しかし形はどんどんと新しくして、現在進行形の今の日本音楽の姿を示して行こうと思っています。
左:Vnの田澤明子先生と(photo 新藤義久) 右:メゾソプラノの保多由子先生と
コロナ自粛の影響もあって、ネット配信が急激に進み、これまでのようにCDを形として販売する時代は終わりました。コンセプトアルバムというものが成立しなくなってきている状況ですので、自分がどの方向で、どんなものをやっているのかという姿勢を普段から明確に表すことは、これまで以上に大切になって来ていると思います。
とにかく作品創りですね。上手やお見事に寄りかかって既存の曲をやっていては、もう誰も振り向いてはくれません。自分が何を見て、どこを目指しているのか、今迄以上にその器を試されていると思います。とにもかくにも自分の音楽をやらなければ!!。
琵琶樂人倶楽部にて (photo 新藤義久)
地味な活動ではありますが、来年も自分らしいものを自分のペースでやって行きたいと思っております。尚、今年一年の活動のまとめは31日のブログで改めてUPします。琵琶樂人倶楽部の方も、年間スケジュールを以下の琵琶樂人倶楽部専用ページにてUPしてありますので、ご覧になってみてください。
今年も本当に多くの方々にお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
少し間が空いてしまいました。先週の楽琵会は無事終わりました。会場が小さい上に、上限が20名迄というお達しでしたので、こじんまりとした会でしたが、良い感じで演奏出来ました。全編私の作曲作品による演奏会も、ちょっと久しぶりでした。古風な和の雰囲気を求めていた人には期待外れだったかもしれませんが、私らしい内容で良かったと思います。
今回は今迄になくVnの田澤明子先生が素晴らしかったです。いつもこのコンビでやっている「二つの月」や「花の行方」等も本当に良かったし、今迄舞台では一度しかやっていなかった「まろばし」がとても良い感じで出来ました。Vnデュオに於いて今後のレパートリーになって行くと思います。その他、新アレンジの「君の瞳」も狙った通り、ヴァイオリンが情熱的に、舞うかの如く鳴り響いていました。もう少しVn とのデュオ作品を作曲して、録音配信まで持って行きたいと思います。
やっぱり自分の音楽をやり続けるのは一番の悦びですね。たとえそれが細々とした活動であっても、こうして定期的に自分の音楽を演奏出来る場所があるというのは本当にありがたい事ですし、今までこのスタイルで生きて来られたことにも感謝しかありません。そして活動を続ければ続けるほどに、先日亡くなられたパット・マルティーノ氏の言葉をかみしめています。
「自分が自分である事を幸せに思う。。。それに勝る成功はない」
ショウビジネスの視点でで考えたらパットマルティーノという人も、あまりに小さな存在でしかないでしょう。売り上げが凄い訳でもなんでもないですし、ジャズファンでも知らない人は多いと思いますが、魅力ある音楽を創って活動をしているその姿こそが、マルティーノの言うように「それに勝る成功はない」のです。今はネット配信等で音楽を世に出す術と機会は皆に与えられているのですから、例えショウビジネスとしての売り上げは少なくとも、その人独自の作品であり演奏であれば、私がマルティーノという逢ったこともない方の姿を追い続けているように、魅力あるものでしたら誰かがどこかで視線を向けているでしょう。今その可能性は世界に向けて無限大にあります。私は音楽をショウビジネスで捉えていませんので、売れるかどうかなんてところで音楽の価値を測りません。魅力があるかどうかで判断します。
確かにプロとして生業にして行けるかどうかという部分は、ノウハウも含め色々あります。しかし自信をもって自分の音楽を演奏出来る喜びは何物にも勝るのです。
琵琶樂人倶楽部にて 笛の大浦典子さんと photo 新藤義久
琵琶は珍しいという事もあって、確かにそれがお仕事にもつながっているのですが、珍しさや古風などという雰囲気に寄りかかって安手の商売をするようになったら、もう音楽家としては終わりです。邦楽は特にそうなりやすい。やたらと看板を挙げてアピールしたがる人が多い邦楽の世界ですが、先ずは魅力ある音楽を創っているかどうか。その一点に尽きます。私も時にちょっと迷いが出た時には、いつも「媚びない、群れない、寄りかからない」というモットーを想い出すようにしています。
この波騒溢れる俗世の中に於いて、どれだけ自分が自分で居る時間を見つけ出し、作品を創って行けるか。私の器を試されているのでしょうね。俗世を離れ隠遁生活に入るというのも一つの手段だと思いますし、私は若い頃からそうした暮らしに強い憧れを持っているのも確かなのですが、今私は琵琶樂を創り、人前に立って演奏することが、私に与えられた仕事だと思っていますので、もうしばらくでもこの世に身を置いて、曲を創り、演奏するのが私らしい姿のようです。
これまで様々な経験をさせて頂きました。そして逡巡もさんざんに重ねて来ました。それらを経て、今になってみると、やはり私らしく在るのが一番の成功であると、パット・マルティーノを含め、多くの先輩先人から教わりました。これからも私らしい音楽をどんどんと創ってやって行こうと思っています。
高円寺の山門
このところ昼間が結構暖かいので、時間を見つけてはお散歩に出かけています。紅葉もまだまだ楽しめますし、気が付かない内に凝りが溜まった心と身体をほぐすにはぴったりなのです。
上の写真は「高円寺」山門。ロックの聖地で知られる高円寺の駅前のざわめきからちょっと外れた所に「高円寺」があります。毎年行っているのですが、毎年紅葉が素晴らしいのです。とても静かで穏やかな風情で人も少なくてお勧めですよ。今年も静かな風情を楽しみました。
善福寺緑地
我家の近くの善福寺緑地もこの通り。こちらも良い感じで、晩秋の陽の輝きが注いできて素晴らしかったです。
日々の中にこうした時間を少し持てるというのは嬉しいですね。西行は「吉野山 梢の花を見し日より 心は身にもそはずなりにき」と詠っていますが、心奪われて、身体から心が浮かれ飛んで行ってしまうような心持は、現代社会の中で感じる事は少ないですね。何かに追われるかの如くに生きざるを得ない現代社会の中に在っては、目の前のものをただ客観的に見る事は出来ても、そこにあるはずの美しさを見逃しているように思います。
現代は「物で栄えて心で滅ぶ」と言われていますが、現代人は物でも時間でも消費するだけで、風土に寄り添うことも愛しむことが少なくなっています。人間が全ての中心で、自然も、先人が紡いできた歴史さえも忘れさり、貪るかの如く資源を掘り尽くし、消費すること=人間が生きる事であるだとばかりに、生きて来きました。
今、そんな現代人の姿勢を見直すべき時に来ているのではないでしょうか。物量的な刺激ばかりを追いかけていると、心が麻痺してしまうのは当たり前です。刺激に更に刺激を重ねて求めるようになっている現代人は、金や物、権利、地位、名誉等々そういうものを得るために日々働いている。そこに美を求める心はまだ残っているのでしょうか。目の前の欲に振り回され、人間としての喜びを自ら避けているようにしか、私には思えません。ましてや芸術に関わる人が、そんな態度では世の中は疲弊するばかりでしょう。
左:新宿御苑 右:井の頭公園
現代は何でも効率的で便利で機能的なものだけが優先する社会。様々なもの、色々な生き方をしている人が溢れているようで、実は人々の志向は、とても画一的になっているのではないでしょうか。まだ70年代80年代辺りは個性的な芸術家も旺盛に活動していて、時代に弾力があったように思います。「舞踏」なんかが生まれて来たのはその時代の弾力を示していますね。しかし今、皆が同じような方向を見て、同じ思考を持ち始めている。これは経済と密接な関係があるのでしょうし、私如きが論じる事が出来るものではありませんが、勝ち組負け組などという言葉が出てくること自体が、社会の硬直した姿を現しているように思います。株やFX等の広告がやたらと増え、お金を持つことが勝ち組であり、幸せだという思考は、形を変えた洗脳と同じだと私には思えてなりません。
私はもっと音楽を創りたいのです。この風土から生まれる現代の音楽を創って、聴いてもらいたいのです。琵琶はもっと豊かな世界を紡ぎ出すことが出来る。私は舞台をやる度にそんな想いを強くします。もっともっと豊かな世界があるはずだと。
身体から心が飛び出
して行くような曲と音色を奏でたいですね。
2019年の楽琵会にて 能楽師の津村禮次郎先生、 ヴァイオリンの田澤明子先生と
さて毎度しつこいですが、今週今年最後のサロンコンサートがあります。ヴァイオリニストの田澤明子先生を迎え、古典スタイルから現代作品まで演奏します。
12月17日(金)
場所:MPホール(日本橋富沢町11ー7 小堺化学KCIビルB1
時間:19時00分開演
料金:2000円
出演:塩高和之(琵琶) ゲスト 田澤明子(Vn)
演目:二つの月~Vnと琵琶の為の 君の瞳 西風 平経正 他
問い合わせ:orientaleyes40@yahoo.co.jp
心が飛び立つような感動を日々感じられる世の中になって欲しいものです。