いよいよこのツアーの最終公演となりました。
グルジアは音楽や芸術が溢れていて、街には絵を売る人や古本屋さんなどがいっぱいありました。男性のコーラスは世界的に有名ですし、「グルジア人は音楽とともに生きる人々」という言葉を先のバクーでも聞きました。

最後の公演はルスタベリ大通りに面した素晴らしい、国立ルスタベリ劇場での公演。こういう所ではもう滅多に演奏する機会は無いだろう、と思う位豪華な劇場でした。ここでは演劇を中心に上演しているようです。すぐ隣にはオペラ専門の劇場もありました。

こちらは劇場の天井。かなり凝ったつくりになっていました。私の安カメラでは良く判りませんが・・。
この日のステージはこんな感じ。


!グルジアの日本大使館は今年出来たばかりで、私達の公演も大使館主宰としては初めて。もちろん日本人がグルジアで演奏したのも初めてということで、大使館としても気合が入った公演となったようです。
左が大使、真ん中は前出の矢野さん。そして右が大使夫人。気さくな方でしたので、パーティーも楽しかったです。
こちらは大使館のスタッフの皆さん。
ちょっと太目の男性は、なんとこの日の朝、
素晴らしい劇場で素敵な人たちに囲まれての、ツアーのラストコンサート。本当に素晴らしいツアーとなりました。
今日のおまけはこちら。
空き時間に、
とにかくトビリシには街にも郊外にも古い教会がそのまま残っていて、見所いっぱい、美味しさいっぱいの魅力的な所でした。
半月に渡るコンサートツアーもこれで全ての公演が終わり、シルクロードの旅もこれでおしまい。
思えば、琵琶を始めた頃、「琵琶を背負ってシルクロードを旅してみたい」と漠然と周囲に言っていましたが、あれから長い年月を経てそれがはからずも実現しました。その間、今回私が訪れた国々にとってはソ連からの独立があり、日本大使館が出来、政治的に色々な変遷があったことでしょう。
グルジアやトルクメニスタンなどは日本大使館が出来たばかりという、このタイミングでコンサートツアーが出来たことは、本当に凄いことだと思います。正に何かの縁に手繰り寄せられるようにして実現したツアーでした。
しかしながら、感無量の想いと同時に、時間というものは実に淡々と時を刻み、無常なまで
にこちらの意思とは関係なく進んでゆくものだな、と実感しました。
何か特別な気持ちを持とうとする私の心が一人で踊っているだけで、ふと気がつけばイスタンブールに向う飛行機の中にいたり、普通では入国できないアシュカバットで散歩していたり・・・・。
現実は人の心が作り出した幻想である、と仏教では教えているようですが、満開の桜を愛でて、葉っぱだけになった桜には見向きもしない、そういう都合よく身勝手な人間の心は、物事の本当の姿をどれだけ捉えているのだろうか・・。とそんなことが頭に浮かびました。
このツアーも多くの縁が繋がって実現したものですが、いくら私が思い入れを持とうが何しようが、シルクロードはそこにあり、人々もまたそこに生き、日々を過ごしているのです。何だか浮かれている自分が小さく見えました。
ただ私の演奏を聴いた人が、淡々と過ぎ行く日々の生活の中で、極東から来た琵琶法師の姿と音楽を記憶のどこかに留めてくれたならこんな嬉しいことはありません。
私はそうやって色々な土地の、色々な人々に音楽を聞かせて歩いているのですから・・・。





こちらは同じく大使館職員の井上さんと宝川さん。色々とお世話をかけました。
街の教会
とにかくこの街は大小の教会が無数にあって、都会ながらとても歴史を感じる風情ある街なのです。日本で言えば京都という感じ。
泊まったホテルは旧市街の路地にあるKOPARA Hotelというところで、こじんまりとした感じがとっても気に入りました。

更にこちら。ちょっと画像が悪いですが、ホルモンなどの内臓肉で出来たソーセージ。好きな人と嫌いな人にはっきりと分かれましたが、私は◎ おかわりしてしまいました。








何だか怖そうな顔をしていますが、私の隣の方が作曲家で芸術監督のアルチョム・キムさん。The Omnibus Ensembleという現代音楽のグループを率いていて、作曲家としてもヨーロッパで高い評価を得ている方です。
演奏後の打ち上げで行きました。
我々のレパートリーの他、彼女の伴奏をしたり、島唄の前山君とユルドゥスさんのデュオで盛り上がりました。さすが島唄は生活の中から生まれた民謡だけあって、ウズベキの民衆の唄とも何の違和感もなくすんなりと合うんです。皆びっくりしてしまいました。
さっそく地下にすっ飛んでいって頼んだ所、3時間で直せるというので、すぐにやってもらいました。なんという縁なのか、神様のお導きなのか、スタッフ全員、まるで何かに守られてでもいるような気がしてなりませんでした。