今日は秋風が身に心地よい一日でした。このところ日曜日は演奏会のことが多かったので、ちょっと久しぶりにゆっくり都会の秋に身をゆだね、のんびりして来ました。
午前中は新しいプロジェクトの打ち合わせで、尺八の中村仁樹君、ピアノの菊池さん、プロデュースの久保木氏と会っていました。才能のある若手は本当に見ていて、聞いていてすがすがしくて良いですね。さしずめ中村君は尺八界の石川遼。で私は????
ピアノと尺八はもう充分なくらいに良い雰囲気なんですが、そこに琵琶というのはなかなか難しい。これからがんばろうと思います。皆さん気持ちの良い方なので、何とか行けそうな気がします。年内にはライブも計画しているので、詳細はまた後日に・・。
そして午後からは版画家の竹村健さんの個展に行ってきました。場所は銀座の兜屋画廊。ここはゆったりと見れるとても素敵な画廊で、竹村さんも兜屋さんではもう3回目となります。
竹村さんは知っている方も多いと思いますが、元々俳優さんでして、メジャーな映画にもよく出ていた方でしたが、体を壊してから元々やっていた美術の世界に活躍の場を求めて、現在がんばっている方です。かなり精力的に全国で個展を開いていて、その作品もどんどん深まって来ています。私にとってはよき先輩という感じで、いつも色々な話を聞かせてもらってます。今日もゆっくりとお話させて頂きました。残念ながら兜屋さんでの個展は今日で終わりなのですが、いつか機会がありましたらぜひ見に行ってください。お勧めです。
という訳で、秋の日の一日をゆっくりと堪能させて頂きました。
写真は高野山と京都の紅葉。
昨日は埼玉県熊谷の常光院で行われた、十三夜の集いで演奏してきました。熊谷はあの敦盛の相手として有名な、熊谷次郎直実の街。だからこの街はとっても歴史があって、お寺もいっぱいなんです。
常光院は天台宗別格本山という格式だけあって、とても落ち着いた風情のあるお寺。参道の前に立っただけで、すぐにぐっと来てしまいました。そんなお寺にもかかわらず、御住職はとっても気さくで腰が低い。だからお寺の雰囲気も良い感じに落ち着いていて、居心地が良いんです。
暗くて見えませんね。すいません。
今回の演目は敦盛のお兄さん「経正」にしました。これは良かったのですが、前半で色気を出して、ちょっと現代風になどと思い、即席の曲をしたのがいけなかった。やっぱりじっくりいつものレパートリーをやった方が良かった
な~~。まだまだ修行が足りません。
それにしても久しぶりに良いお月見をしました。自然と日本の歴史に感謝の一日でした。

今年も高野山演奏会が終わった。何故あんなに遠い所で演奏会を開くのか?といつも言われているのだが、今年も、東京、大阪など遠い所からお客様が来てくれました。ありがたい限り。
高野山での演奏会は、私にとっていわば修行という感じですね。琵琶の弾き語りという地味~な会を粛々、淡々と毎年やるのが、まあ喜びでもあるのです。ほぼ毎回、能管演奏家の阿部慶子さんを迎えて、デュオ曲「まろばし」を披露するのですが、これが唯一の華といえばよいでしょうか。
演奏会の後は宿坊でお客さんとゆっくり食事をしながら話をするのも楽しみの一つ。勿論般若湯もたっぷりあります。そして次の日はこちらも毎年恒例の高野山大学での、トーク&コンサート。いつも対談コーナーでお世話になっている密教学の越智先生が今期限りで引退とあって、話の内容も濃く、良い感じでした。
まだ4回目ではありますが、色々な出会いがあり、お付き合いも広がってゆきます。また来年もやろうと思いつつ、こうして琵琶を演奏して生きている事は幸せだな、としみじみ実感してしまいました。