今日から全6回に渡って「琵琶を知ろう」という講座が杉並区西荻窪の松庵舎にて始まりました。第一回目は「琵琶の起源~ペルシャよりアジアへ」
松庵舎こじんまりとしたとても良い感じの空間です。
私の講座の他、写真やいけばな、文章教室などもやっています。
いつもやっている琵琶樂人倶楽部でもレクチャーはやっているのですが、こちらはキャパが10名程度の空間ですので、もう少し楽しみながらCDをかけたりして、もっと身近な雰囲気で受講している方々の質問に答えながらやって行こうと思っています。今日はちょっと雑学風にお話ししました。
これがウイグルのルバーブという楽器。今日はこれを持ち込んで音を聞いていただきました。鉄弦で乾いた感じのシルクロードの音が出ます。
私は民族楽器を演奏しているので、どうしてもその楽器が背負っている歴史や背景などを知らぬまま演奏は出来無いのです。邦楽器を全く新しい素材として、オリジナルな音楽をやる事もいいかもしれませんが、私は元々古典文学や歴史が好きなせいもあって、新しい曲を生み出すにも、どこかに「継承」ということも考えずには居られないのです。
仏教でも仏のはからいに身を任せてこそ、成仏すると説かれていますが、自分が考えて作り出したオリジナルな作品も、一度何千年という人類の辿ってきた歴史の中に身を投げ入れて、そこからもう一度この現代に戻ってくるような過程がある方が、より深いものが出てくるような気がしています。
我々現世を生きる人間は勉強すればするほど、知識も経験も多くなってくるのですが、いつしか自分が得た知識・経験だけを土台にしてものを観てしまう。実はしっかりと勉強したつもりでも、自分の得た知識や経験などたかだか数十年のほんのわずかなものに過ぎないのに、勉強してきた事に満足して(言い方を変えればおごって)自分が基本になってしまいがちです。
私は歴史を辿ることで、その奥深さを何時も感じていたいと思ってます。
ぜひこんな講座をきっかけに素晴らしい文化を育んできた日本に、歴史に興味を持ってくれると嬉しいです。魅力的なものがいっぱいあって楽しいですよ。
「松庵舎講座~琵琶を知ろう全6回」
第一回 1月17日(日) 琵琶の起源 ~ ペルシャよりアジアへ ~
第二回 2月14日(日) 雅楽の琵琶の世界
第三回 3月28日(日) 中世の琵琶楽 ~ 薩摩琵琶誕生とその周辺 ~ 盲僧琵琶と平家琵琶との関わり
第四回 4月25日(日) 近代の琵琶楽 ~ 薩摩琵琶と筑前琵琶
第五回 5月30日(日) 現代の琵琶楽 (ゲスト:尺八 田中黎山)
第六回 6月27日(日) 平家物語を語る ~ 壇ノ浦
■ 時 間: 13:00-15:00
■ 参加料: 2,500円 (各回) *第5回は3,000円となります。
■ 定 員: 25名
■ ご予約/お問合せ: 松庵舎 10:00-19:00 月曜定休
℡ 03-5356-6606 fax 03-5941-6166
E-mail: shoan-sha@nifty.com