日比谷スタンウェイ松尾ホールライブ終了

昨日、尺八の中村仁樹君のミニリサイタルでもある、スタンウェイホールのライブが終わりました。

matuo-holl3左からピアノの菊池智恵子さん、中村君、私

前回は昨年末に、やはりピアノサロンとして有名なタカギクラヴィアでやったのですが、今回もさすがスタンウェイの名を冠に付けているだけあってピアノが素晴らしい音で鳴っていました。
このトリオはマイクやPAを使わないのですが、ピアノの菊池さんはなかなかのテクニシャンなので、こちらも音量で負けてる分、気合いで弾かないとアンサンブルになりません。今回も気を引き締めて演奏させてもらいました。それにしてもここのピアノは凄い迫力のある音でした。

                      matuo-hool2
昨日はプログラムも良く練れていて、中村君も気合いのこもった演奏でしたので、とてもよい流れになり、お客様の反応も上々でした。

前回もやったドビュッシーのチェロソナタ、そしてショパンのノクターンなど、中村君の抜群のテクニックが炸裂していました。まだまだ勉強すべき所はいっぱいあると思いますが、今尺八の世界で技術力に於いてはトップ3に入ると思います。是非これからも道を極めて欲しいですね。

演奏活動をしてゆくと、日々色々な事に突き当たります。音楽や芸術の事はもちろん、毎日の生活や経済的な事、家族や将来の事等々、不安になったり、勢いが出てきたり、常に周辺事情に振り回されてなかなか音楽だけに浸っている事が難しいのが現実ですが、そういったところを乗り越えていった者だけが、舞台に立てる、と以前先輩に言われました。

今自分がこの年になってなんとか舞台人の端くれとして生きてゆけるというのは本当にありがたい事だと思っています。そして中村君、菊池さんにもこれから音楽家として末永く活躍していただきたい、ただただそう思うばかりです。

二人は私の息子娘みたいな年齢なので、昨日は何だか彼らのお父さんのような気分になってしまいました。

お父さんもがんばらないと威厳が保てません?

来週は大阪に行きます。

潮先郁男 芸暦60周年記念ライブatピットイン

私は琵琶を弾く前はジャズギターを弾いていました。まだ高校生の頃習い始めたので、すでに遠い遠い昔のお話ですが・・・。

最初に習ったのは、故沢田俊吾先生。沢田先生にはジャズ界の雰囲気のようなものを教わりました。多感な少年には刺激的なものばかりでしたね。楽しい日々でした。その後、潮先郁男先生について、リズムや和音など実践的且つ理論的な指導を徹底的に受けました。私は一応潮先スクールを卒業させていただきましたが、なにせ今の姿は琵琶法師ですので、一番の天邪鬼であり反乱分子です。今こうして作曲や演奏活動ができるのも全ては潮先先生からの教えがあったからこそ。正に私の原点です。

潮先先生は、故平岡精二クインテットから活動をはじめ、今やジャズギター界の大御所として現役活動をされています。その潮先先生が芸暦60周年ということで新宿ピットインで4月17日ライブをやります。
こちらが潮先先生

こんな私にも、今まで何人かの大切な師匠との出会いがありました。作曲の石井紘美先生、琵琶の高田栄水先生、田中之雄先生、皆大切なお師匠様であり、何時までも私の中で輝きを失う事の無い大きな大きな存在ですが、中でも潮先先生は一番の反乱分子の私にいつでも遠くから眼差しを注いでくれていて、私がCDを出すたびに電話をくれてエールを贈ってくれるのです。
武道の世界では「三年学ぶより、三年師を探せ」などと言いますが、人生の中でこういう師匠と知り合えたというのは本当に大きな出来事であり、また自分が死ぬまで師匠として尊敬したいと心から思っています。

潮先先生はいわば梅花のような人。結してフロントに立って華やかに咲き誇る人ではありません。何時も脇にいて、確実にサポートをして、音楽に命を与える人なのです。桜のように華やかな人ももちろん素敵ですが、寒い時期に花を咲かせて、凍えて縮こまっている人を癒し優しく迎えてくれる梅花が私は好きです。
ただ地味という事ではなく、そこに大きな器があってこそ、人を受け入れる事ができるというもの。ひっそりとした姿の中に、深い想いがなくては梅花は咲かせることが出来ないのだと思います。
何時まで経っても梅花のようには成れそうに無い自分は、やっぱりただの反乱分子なのかもしれません・・・・。

潮先先生にはこれまでリーダーアルバムというのがないのですが、代表作はやはりこの「SIDE by SIDE」シリーズです。
ジャズが日本に根付いて半世紀ちょっと。ようやく日本にも日本のジャズが出来つつあります。その原動力となり、中村八大、松本英彦、八城一夫、藤家虹二、世良譲、増田一郎等々そうそうたる大御所達をサポートし、絶大なる信頼を得てきた潮先先生の演奏を是非聴いてみてください。

詳しくはピットインにお問い合わせを。

新宿ピットイン  http://www.pit-inn.com/index.html

日比谷スタンウェイ松尾ホール~中村仁樹ミニリサイタルVol.3

今月26日に尺八の中村君を中心としたトリオの演奏会をやります。
昨年暮に初めてやったこのトリオも少しづつ充実してきました。
      
         中村ミニリサイタルⅢ

「二十一世紀の新しい風がここに!」とまあたいそうなタイトルですが、意気込みだけは負けません。

中村君はなんといってもそのダイナミックでパワフルな演奏が持ち味。そのさわやかで且つ熱い演奏は、聞いた人を虜にする魅力がありますね。ピアノの菊池さんもなかなかの才人で、最近ではクラシックの演奏だけでなくバンド活動の方でも盛り上がってきている注目の若手です。こういう若手の中で、私がどんな関わり方をすべきか、腕の見せ所という訳です。

舞台人にはとって、やはり若さというものは何にも変えがたい魅力です。
源氏物語でも、光の君と頭中将が揃って舞う「青海波」を描いた場面がありますが、青海波で着る、千鳥の刺繍のある青海波模様の装束はやはり若者が着てこそ映えますね。

年季の入った舞台も魅力ですが、世阿弥の言うように、若人にはその時にしかない華(花)というものがあります。そしてその華はほんの一時期だけ。更にこの一瞬の華を咲かせる事が出来るのも、またほんの一握りの人だけなのです。

私には若い華の時期はありませんでしたが、今、中村君、菊池さんは正にその華を咲かせようとしています。是非彼らの華を見に、聞きに来てください。

お問い合わせは、昨年日本橋劇場で中村君と初共演したコンサート「和の煌き」をプロデュースした響和堂さんが担当してくれています。

響和堂 ticket@kyowado.jp
080-4200-0808   Fax03-3610-5740

よろしくお願いいたします。

シルクロードツアー凱旋公演決定!!

昨年のシルクロードツアーの凱旋公演が決まりました。
         
           

gaisen koen

場所は 杉並区の座・高円寺2というホール
3月31日(水) 19時開演です。

今回は何とウズベキスタンから歌姫ユルドゥス・トゥルディエワ Yurduz Turdievaさんを呼んじゃいます。さすが国際交流基金!やることが太っ腹です。

ユルドゥスこの方の歌はかなりいいですよ。伝承歌唱カマームという歌の歌い手です。ウズベキ公演では奄美島唄との掛け合いも素晴らしかった。

ステージはこんな感じ
なかなか格好良いでしょ。

曲目などの詳細はまた追ってUPしますので、チェックお願いします。

私は薩摩琵琶のほか、楽琵琶で「啄木」を弾こうと思います。やっぱり大陸から渡ってきた音楽だからね。楽琵琶弾かにゃ。

御予約お問い合わせは国際交流基金へお願いいたします。


http://u-e.co.jp/jimukyoku/

Tel: 03-3589-6554 (2月22日から)

さあ、のんびりしてはいられないです。今月は松庵舎での連続講座もあるし、月末には日比谷のスタンウェイ東京松尾ホールで中村君の演奏会での演奏もあるし、花粉症なんぞ返上で気合を入れてがんばります。

宴の後

昨日、川崎能楽堂での「まろばしセカンドコンサート 春の宴2010」が終わりました。
いつも演奏会は一人、もしくはデュオでやっているので、今回のようにグループでの演奏会は年に数回しかありません。それでもこの「まろばし」は私の作曲作品を中心に演奏するので、気合が入ろうというもの。

今年も新曲をいくつか書き、メンバーも昨年と変わったので、良い発見もあり、それなりの収穫を感じました。
今回は私の作品の中から「花の行方」と「まろばし」の二曲を、夫々昼は尺八で、夜は篠笛で演奏してもらい、作曲した私が学ぶ所が多々ありました。演奏は若手の尺八奏者 田中黎山君とベテラン笛奏者 金子弘美さんという両極端なお二人。

田中君の凛とした佇まいと演奏は、パワーに走ってしまいがちな若手の演奏家の中にあって実に端正な趣があり、貴重な逸材だと思います。「まろばし」「花の行方」共に期待以上の演奏で答えてくれて嬉しかったですね。

方やベテランの金子さんも結してパワーで押さない、とても清い演奏でした。特に筝とのデュオ「花の行方」は大変美しい世界を描いてくれたと思います。

私は以前からグループで演奏する曲に関しては自由な空間をなるべく作って、私の器以外の器を取り入れるようにして曲そのものを成長させるようにしてきました。もちろん逆に曲がしぼんでしまう事もありますが、なるべく演奏する側が考え、自分なりのアプローチで曲を演奏するような方向が一番だと思っています。

その為には、私がメンバーの質を生かすような曲を書かなければいけないのですが、グループでの演奏に関しては果たしてそれが出来ているかどうかいつも疑問が残ります。今回はデュオ曲に関してはとても満足しましたが、その他の曲ではまだまだ改善の余地アリ、という気持ちが残りました。

これからもまだまだ精進は続きます。

                                                                 sea-s

こういう演奏会の後はでっかい世界に身を浸して、

                                                                                                                       (photo 森修)

それから小さな自然の美しさにも心をゆだねて自分を浄化します。
(photo 森修)cho-s

さて今日は一日ゆっくりしたので、また明日から動き出します。どんなものでもやればやるほど勉強になるし、得るものも多い。
自分のヴィジョンに向かってどんどんと走ってゆきます。
NEXT ONEをご期待下さい。

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