北鎌倉へ

先日、北鎌倉の其中窯サロンにて演奏してきました。

北鎌倉其中窯3

ここは元々 北大路魯山人の邸宅と工房があった所。魯山人が使っていた窯を、陶芸家 河村喜太郎氏が受け継ぎ、現在は孫の喜史氏が継いで作陶しています。サロンスペースには、喜史氏の父である又次郎氏の頃より日夜芸術家が出入りして、茶会や芸談を交わした芸術サロンとしてにぎわっていた場所です。
今回は、新日屋さんという和のイベントをプロデュースする事務所が主催した会だったのですが、大変素晴らしい雰囲気で、気持ちよく演奏が出来ました。新日屋さんブログ http://www.shinnichiya.com/s_blog/

こちらが河村さん。音楽、特に現代音楽にとても造詣が深く、話が弾みました。
河村さんは、表現という事にとても深い思考を持っていらっしゃるようでした。「自分が何か土を通して表現するというより、土の持っているものを自分の力で形にしてゆく」、という事を盛んに言っておられました。これは単に素材の持つ力、という事だけではない、もっと深いものを感じました。

我々はものを作り出す側にいます。そういう我々が「私」という個人的な想いを外に吐き出しただけでは、それを受け取る人々に対し説得力はほとんどありません。同好の士がはやし立てるのが関の山。下手をすると陳腐なものになりかねない。表現者の大変陥りやすい所です。大体「私」という小さな器で考えたものは、何でも「私」に都合の良いものになってしまって、あらぬ方向に行ってしまいがちです。其中窯6
先日の著作権の事件もそのいい例ですが、ちょっとライブをやっただけで「プロです」なんて言いだしたり、お稽古している曲は何でもいつのまにか「古典」になってしまったり、お免状なんぞ貰えば「偉い先生」だと勘違いする。外側から見ている人間にとっては?なものにどんどんとなって行くものです。まあこうして邦楽界は世間と大きな距離を築いてしまったのですが・・・。

「私」を超えて、「はからい」というものを何かしら感じている人なら、人間の創り出した権威など、いかに幻想であるかが判るはずです。叡智も経験も素晴らしいことですが、自然の前には叡智も経験も無力であるという事も・・・。だからこそ自分の力ではどうにもならない大きな「はからい」を想い、またそこに身をゆだねる事が出来る。しかし「はからい」を感じることの出来ない人は、自分の力でやっている、やり遂げているという意識しか持たない。そして自らが作り出した幻想に閉じ込められ、小さな世界で空回りしている。そういう状態だという事も気が付かない。悲しいですね・・・・。

北鎌倉其中窯5

河村さんの祖父 喜太郎氏は、陶工という存在しかない時代に「赤土」という芸術結社を作り、「陶芸」という芸術の分野を世間に認知させた大変な人物でもありますが、河村さんの「土の持つ力を形にしたい」という言葉は、三代に渡って陶芸に携わり「表現とは何か」について受け継がれ、考え、感じてきた末の言葉のように思いました。
ともすると陥りがちな「私」という小さな牢獄。私も片足を突っ込んでいるのかもしれません。しかしこういう柔軟且つ大きな視野と感性を持った人と接すると、自分の姿を振り返り、良い気付きを得ることが出来ます。作曲・演奏・活動、音楽に関するあらゆる場面で、また一枚ベールが剥がれたような気がします。

marobashi2010-0s

良いお仕事をさせて頂きました。

よみがえる音色Ⅱ

先日は、故香川一朝さんの命日でした。一朝さんと共に立ち上げたアンサンブルグループ「まろばし」の応援団長 井尻先生と一緒に、一朝さんの地元小田原に行ってきました。

kagawa2

もう早いもので、一朝さんが旅立ってからすでに丸2年。2年前はどうにも事実を受け入れがたく、心がもやもやとしたまま落ち着かなかったのですが、ようやく気を落ち着かせて日記を書くことが出来るようになりました。

現在、尺八界は若手で上手い奴が沢山居ます。皆それぞれに活躍し活況を呈しているのですが、音が鳴る=パワフルというタイプが多いですね。なかなか静かに満ちてゆく一朝さんのようなスタイルの人は居ません。しかしこれも時代の変化だし、きっとこの方向でまた、心にしみるような演奏をする人も出て来ることでしょう。勿論私はそういう有能な若手を応援していきたいのですが、ごくごく個人的な想いとしては、一朝さんのあの音色はやはり捨てがたいものがあります。一朝さんの音色はいつも場に満ちるように、静かに静かに漂って広がって行きました。あの本曲の演奏は忘れられないですね。パワー主義の対極にあるような、でもゆるぎない、しっかりとした存在感を持って響き渡っていました。

kotou4今、世の中のもの大半が、強く、早く、軽く、と便利で刹那的な方向にどんどんと向い、そのために知識や理論が費やされ、社会全体が生き急いでいるかのように私には思えます。音楽も、どんどんこの調子でスピードやパワー重視の表面的なものになってきているような気がしてなりません。
演奏でピアニシモほど難しいのは皆様ご存じの通り。それはしっかりとした支えがなければ出すことが出来ないからです。その支えのためにこそ、表に出ないこういう所にこそ、知識と理論を惜しまないでもらいたいものですね。
そして真に力強いものの裏側には、必ず静寂があるものです。それが無い、ただ勢いに任せただけの強さは、どうしてもそこに落ち着かないものを感じてしまいますね。音楽でも政治でも・・・。

一朝さんと「まろばし」をやっている時には、何よりも音色やアンサンブルが最優先でした。一朝さんの持っている世界が私をそういう方向に導いていたのでしょう。若手の田中黎山君と一朝さんがデュエットした「二つの月~二管の尺八のために」を練習している時は、先輩後輩関係なく、尺八奏者として対等にアンサンブルを作り上げ、音色や息の使い方など、とことんやっていたのを思い出します。
やっぱり音楽に身をゆだねている時、聴いている人も、演奏している人も、其々が本来自分のあるべき所に帰ってゆくような時間であってほしいですものね。一朝さんの周りは皆、そんな音楽を作り上げるのに夢中でした。欲望によって経済が回り、世の中が成り立っているともいえる現代に於いて、一朝さんと一緒に演奏した時間は、充実した貴重なひと時でした。

kotou7

時代と共にに音楽はあるべきとは、いつも私が書いていることですが、この時代に生きる人々が聴いて、感じることが何よりも第一です。この時代にあるべき音楽の姿は、人それぞれに違う想いがあるでしょう。違う事が大事なのです。色々なものが共存するからこそ、豊饒な世界が生まれてゆくのです。「こういうものだ」「これでなくては」という一つの方向に流れてしまった時、その音楽は力を失うのだと思います。琵琶楽は今、そんな時期に来ているように思えてなりません。まあこういう事も今思うと、一朝さんから仕込まれたものかもしれませんね。

一朝さんは、私の視野が届かない所に光を当てて、いつも私を無言で導いてくれました。そして「時代の音を創れ」と常に背中を押して、新作を書くことを応援してくれました。私はそんな一朝さんの心意気に支えられて、今があるのです。私にはまだ余裕がありませんが、今度は私が若い世代に対し、そんな応援をする役なのでしょうね。

さて、また新曲作りますか!!

熱狂的声楽愛好のススメXIII~パリオペラ座Live viewing「ファルスタッフ」

先日、パリオペラ座Live viewing「ファルスタッフ」を観てきました。喜劇の面白さを初めてしっかりと味わいました。

ファルスタッフ

「ファルスタッフ」はヴェルディ最晩年の作品で、ヴェルディではほとんど唯一(かなり若い頃に一つ作っているそうです)といっていい喜劇なのです。あのドロドロとした濃~~い愛憎劇ではなく、コミカルでアイロニカル。シェークスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」という作品をを元にしたものだそうで、あのヴェルディが最後の作品として喜劇にたどり着いたというのは興味深いですね。
舞台の最後に、酒飲みで女たらしの老騎士ファルスタッフが放つセリフがなかなか印象的です。

「世界のすべては冗談さ人はピエロとして生まれる頭の中じゃ揺らいでるのさ 。いつでもその理性というやつは 。みんな愚か者!あざけり合うのさ 、お互いを 人間というやつはだけど一番沢山笑うのは 最後に笑った者なのさ」


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主演のアンブロジオ・マエストーリは体型からして、正にファルスタッフそのもの。この役では高い評価を受けている人ですが、本当に見るからにぴったり!!写真が見当たらず、お見せできないのが残念です。その他出演者も皆さんレベルが高く素晴らしかった。左の写真のナンネッタ役のエレーナ・ツァラゴワも、この若さでベテランに引けを取らない充実した歌唱でした。喜劇では演劇的要素がかなり問われるのですが、アルトゥール・ルチンスキ(フォード)、スヴェトラ・ヴァシリエヴァ(アリーチェ)、マリー=ニコル・ルミュー(クイックリー夫人)、ガエル・アルケス(メグ)それぞれ皆さんアリアはもちろんの事、コミカルな演技も歌のアンサンブルも素晴らしかった。
歌とオーケストラとの息もしっかりと合っているし、全体に大雑把なところが無いのです。Metのような派手な演出は全くないのですが、調和が取れていて、コミカルなその演出はかえってストーリーをしっかりと浮かび上がらせて、とても判りやすい充実の舞台でした。
勿論今回もオーケストラのサウンドがいいのです。指揮はダニエル・オーレン。パリオペラ座ですから当たり前なんですが、一流の音は実に気持ち良い!!

IMG_5171

欧米は生活の面では個人主義の国ですが、音楽や舞台でのアンサンブルが実に緻密で構築的。日本は社会の中では調和を重んじる国ですが、舞台芸術の分野に於いて、大人数でのアンサンブルの力がはっきり見えるのは歌舞伎位のものでしょうか。面白いですね。個人主義とは個人の責任で生きるという事なので、基本的に自分で責任を取り、自立して生きるという事。こういう個として自立した国民性があってこそ、オペラのような舞台を生むのでしょうね。そして個から世界を見渡すような視野が大切なのだと思います。その美意識や感性にも、現代社会に於いては、「世界の中の個」、「世界と共に生きる」というような視点が必要ではないでしょうか。日本でもこの辺りの感覚はこれから大いに求められることだと思います。世界がつながっている現代に、己の道なんて言って閉じこもっている訳にはいかないのです。

ishidataisho

染色の志村ふくみさんも、我々は常に前衛なんだとおっしゃっていましたが、素晴らしいものを現代に、そして次世代に残すことは、常に最先端の感性を持ち続ける事でもあります。人間は頑張っている人ほど、その渦中にあってなかなか客観的に自分のやっているものが見えていないもの。音楽に於いても、ドビュッシーやラベルの例を挙げるまでもなく、社会は難なく新しいものや変化を受け入れても、本職の音楽家の方が色々なこだわりを身にまとってしまっていて、新しいものをなかなか受け入れることが出来ない。人間は自分の勉強したもの、築き上げてきたものにいつしか囚われてしまうものですが、それを乗り越えて次の時代に行けるかどうか、その人の器というものが問われますね。

生誕200年のヴェルディの作品が、現代にこうして最先端の感性と演出と技術で素晴らしい舞台となって表現される、これこそ芸術の力ですね。日本の音楽も、形を守るだけでなく、最先端の表現として、古典を世界に発信出来る器が欲しいですね。そんな若者もぼつぼつ出てきたように思います。

元気が湧いてきます!!

グローバリズムと著作権

先日、知人から「お前の[まろばし]が他人の名前でUpされてるぞ」という連絡を受けまして、さっそく確認したところ、ありましたよ。アクセスも1000件を超え、海外からのコメントすらついていました。ネット社会になって、知らない所で私の曲が使われていたり、コピーされていたり、様々なことがあります。まあそんな程度では別に気にもならないのですが、こういうケースは初めてでした。私一人ではとても管理できないし、とにかく何があるか判らないので、ネット上のチェックを周りに色々と頼んでいます。

okumura photo6

今回はタイトルの横に違う人の名前が付けられていたので、さすがにびっくりしました。とにかく作曲者としてはこういう行為をほっておくわけにはいきませんよね。勿論すぐに対処しましたが、本当にネット社会では何が起こるか判りません。
他にも私の作品「花の行方」を三味線の人が勝手に三味線用に編曲して、演奏会で弾いていたという事もあったようです。私は詳しく把握していないので対処のしようがないのですが、譜面が出版されている訳ではないから、何処からコピーが流れたのでしょうね???。勿論演奏した本人から連絡は全くありません。著作権の意識なども微塵も無かったのでしょう。
もう一つ、私の樂琵琶と龍笛の曲「月下の笛」の、笛パートだけをコピーして、タイトルはそのまま「月下の笛」で、自分で吹いてUPしていた人が居ました。当然の如く作曲者である私の名前は明記されていませんでした。演奏家としては考えられない事です。その方は、気持ちだけはプロのつもりでいるアマチュアで、著作権という事すら何のことかまるで判っていなかったようです。こちらもすぐに対処させましたが、その曲の他にも有名音楽家の曲を自分で吹いて、作曲者名を明記せず数多くUPしていました。

kawasaki2009-11

現代日本人は、とにかく作曲作品や音楽に対し敬意や尊敬というものを持っていない、と私は思っています。邦楽に関して言えば、著作権以前に、音楽を演奏する意識そのものが、まだお稽古事の延長上にしかない、と私は感じています。聴くより前に偉いかどうかという「格」の部分を見て、受賞歴だの師範だの総代などという肩書で、「この人はまともだ。きちんとしている」なんてことを感じるような、そんな最低レベルの意識で凝り固まっている。そこには音楽はありません。芸術に対する純粋な尊敬も敬意も無い。音楽の前には流派も独学も無く、偉いも何もないのです。たいそうな免状持っていても、聞くに堪えないようなレベルの演奏しか出来ない人が、残念ながら邦楽界にはいくらでもいます。
他のジャンルでは皆それぞれの2音楽を高らかに発信しているのに、「格」をぶら下げて舞台に上がっても、世間の人にほとんど受け入れらないのは当たり前。つまり音楽をやっている訳ではないという事です。聴衆は音楽を聴きに行っているのですがね・・・・。これでは当然著作権の意識など生まれようがありませんね。

最近は中国などに対し、パクリだのなんだのと日本人がよく言っていますが、日本人自体にも著作権意識はほとんど無いと私は思っています。あれはただ真似されたから標的にしているだけです。
ライブで誰かの作品を演奏しても、著作権の申請もしなければ、使用料も払うつもりすら無い。しかししっかり入場料を取る。挙句の果てにギャラがどうのこうの、と言い放ち、何の意識も無く楽譜をコピーして使っている。それが現代の日本の現状です。ある関係者によれば、クラシックを除く他の分野では、日本は著作権無法地帯だとのことです。

okumura pfoto8私は欧米のような著作権のあり方が良いとは決して思っていません。ショウビジネスを基本に整えられた現在の著作権法には様々な矛盾があると考えています。ネット上に出している以上、コピーもされるだろうし、研究対象にもされるでしょう。時に勝手に使われることも覚悟の上です。どんどん聞いて分析して、肥やしにして、部分をパクリながら自分のオリジナルに仕立てて結構だと思います。今までの全てのジャンルの音楽家も皆そうしてきました。
私は最初にチックコリアの若い頃のソロピアノを聴いたとき、これはドビュッシーだと即座に思いましたが、チックコリアも、ドビュッシーもそれぞれが過去の作品を参考にしながら素晴らしい音楽を創り上げた。これでいいんです。これこそ創造力だと思います。私はこうして過去の音楽を元にして新たに作られて行く事は健全だと思っています。勿論私も過去の作品を研究材料にして自分の作品の糧としています。バッハでもドビュッシーでも、素晴らしいものだったら、パクられようが何されようが、いつの世に於いてもその魅力を人が支持するものです。

しかし、そっくりそのままの形でやってしまうのは、あまりにも情けない。音楽、芸術の世界とは次元のかけ離れた人間の欲の世界の出来事ですね。残念です。

著作意識は確かにまだまだ日本には充分定着していないのが現状ではありますが、youtubeやfacebookで世界とつながり、メールですら英語でやり取りしているグローバル化した現代において、自分の感覚がそのまま世界で通用すると思う方がおかしい。世界市場に於いて、日本の常識を掲げたところで、世界に全く通用しないのは当たり前なのです。村意識にもほどがある。
「日本人は成熟していない国民」という言葉は、今までもさんざん言われ続けられましたが、この現状では未だ日本人は変化も成長もしていない、と言われても仕方がないですね。現代では、音楽家もその意識を大きく変えていかなければなりません。益々器を問われる時代となりました。

活動してゆくと色々なことに当たりますが、私は過去を勉強しながらもオリジナルで勝負しますよ。

音楽の幸せⅤ~中島ゆみ子と仲間たちVol.8

先日東京文化会館で小ホールで行われた「中島ゆみ子と仲間たちVol.8」に行ってきました。

ヴァイオリンの中島ゆみ子さんとは一昨年、昨年と共演し、昨年は拙作をチェロを加えたトリオで一緒に演奏して頂いたのですが、ゆっくりと中島さんの演奏を、一聴衆として聴いてみたいと思っていましたので、今回はとても楽しみにしていました。今回はメンバーに、やはり一昨年共演したチェロのエリック・ウイリアムスさんも入っていて、久しぶりの邂逅となりました。
プログラムは、ヘンデル、ロッシーニ、ワィルダー、ドヴォルザーク。デュオ、カルテット、クィンテットでの演奏に加え、ワィルダーではチューバを加えた変わった編成でしたが、大変楽しめました。今回のサブタイトルは「低音楽器の魅力を求めて」で、最初はさすがにチューバと弦というのはイメージが湧かず、ちょっとびっくりしましたが、すぐに慣れてきて、アンコール曲などではジャズっぽいアンサンブルも聞けて、多彩な曲を楽しめました。

nakajima-yumiko2011中島さん所属の「NPO法人音楽の共同作業場」アーティスト紹介より
中島さんは、ソリストとして国内外で活躍し、在京オケではコンサートミストレス、客演主席としても活躍している大変実力のある方で、共演していただける事自体が光栄なのですが、とにかくいつも穏やかで、謙虚で、笑顔な方なのです。チェロのエリックさんも同じく、お二人とも笑っている顔しか思い出せない位に朗らかなお人柄。今回もそんな中島さんの個性が十二分に満ちていた演奏でした。
すべてに無理が無く、力みも無い。高い技術に支えられ、、どこまでも自然に音楽が流れだしてゆく。これ見よがしな表現はどこにも無く、メロディーがたっぷりと歌われ、会話をするように響き合い、ハーモニーの色彩感がとても豊か。どの曲にもアンサンブルの魅力が溢れていました。こうした質の高い生演奏は芸術云々というより、もう快楽ですね。その響きに包まれ接していると、いつもとは別の空間に我が身があるような気がします。

こういう演奏を聴くと、やはり薩摩琵琶にも器楽的な分野はぜひとも欲しいと思ってしまいます。私は琵琶の分野で、多分一番器楽的な演奏をして、作品も作ってきた一人だと自負していますが、まだまだ曲が少ないと思っています。琵琶のこれまでの伝統がどうであれ、現代人は琵琶の楽器としての音色を求めている方も多いのですから、これから現代、次世代の聴衆に向けて、器楽としての琵琶楽を確立する人もどんどん出るべきだと思っています。津軽三味線も唄と切り離されたからこそ、ポピュラリティーを得た事実を観ればそれは明らかでしょう。民謡という事でなく、津軽三味線という楽器を聴きたいという聴衆が沢山居たということです。こだわりや習慣、伝統などをいかに超えてゆくか、次世代を目指してゆけるか。今、薩摩琵琶の器の大きさが問われているような気がします。

そしてもう一つ、アンサンブルもこれからの課題になってくるだろうと思います。器楽でも歌が入っていても、他の楽器と一緒にやるというのは演奏会の内容を飛躍的に広げてくれることでしょう。20西洋音楽とは違う別の形、概念でのアンサンブルは、充分に可能だと思います。日本では既に雅楽をはじめ、長唄囃子や能囃子が素晴らしいアンサンブルを完成させていますが、琵琶楽に於いても、アンサンブル作品の充実は、これから大変重要だと思っています。
日本は「和を以って尊しとする」国ですから、西洋型のアンサンブルではなく、日本独自のアンサンブルがあって当然!。琵琶楽も新時代に向けて、世界レベルで発信できるアンサンブルが出来上がって行くとよいですね。

豊饒な弦の響きに包まれて、梅雨の鬱陶しい気分もさわやかに晴れました。音楽の快楽は果てしないのです。

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