今年も宜しくお願い申し上げます。
もう年賀状を止めてしまいましたので、これが新年の挨拶となりますが、これも世の流れ、形式だけのものを卒業して行く過程だと思いますので、是非ご理解を。

今年は先ず何と言っても10thアルバム「AYU NO KAZE」のリリースです。22年前の1stアルバム「Oriental Eyes」が蘇ったような内容になりました。やはり自分の音楽はこれだと思える納得のいく内容となっています。1stを出した時も「琵琶らしい曲はあるのですか」という問い合わせがありましたが、「塩高らしい曲しかありません」としか答えようがなかったですね。私はこれまでの作品も全て自分で作曲したものをリリースしていますし、且つ新作をレコーディングしています。代表曲の「まろばし」のように相方を変えて何度か録音したものもありますが、手慣れたレパートリーを収録するようなことは一切しません。私が聴いて来たアーティストは皆そうして常に最先端を聞かせてくれましたし、手慣れたお見事なものを聴かせると言いうメンタルこそが、リスナーを遠ざける大きな要因だと思っていますので、これからもこの姿勢は変わらないと思います。
今回は3人のゲストを迎えました。



今年もそんな訳で私にとって新たな挑戦の一年となると思います。琵琶樂人倶楽部も昨年で18年目に突入し、開催も200回を超えました。今月は8日に筝の藤田祥子さ
ん、尺八の藤田晄聖君を迎え、重衡と千手の物語を筝・尺八・琵琶唄のトリオ編成で演奏します。詳しくは琵琶樂人倶楽部の方を御覧くださいませ。
私が音楽で届けたいのはお見事さでも技でもなく、その音楽の先に在る世界です。むしろ技は消えてしまう位でよいのです。私は色んなアーティストの創り出すその世界に憧れ、そこ惹かれて音楽家を志したのです。どんなに上手でも技を見せつけるだけで世界を感じられないようなものはただの旦那芸でしかないと思っています。聴いて頂くのは私の作り出した世界をこそ聴いて頂きたいのです。
今年もよろしくお願いいたします。