舞人

先週は四谷区民センターホールにて「祭りの刻」という舞踊公演で演奏して来ました。

私は大谷けい子先生率いるダンスネオシノワーズチームの一員として、笛の玉置ひかりさんと演奏して来ました。大谷先生とはもう随分前に天王洲のアートスフィア(現 天王洲銀河劇場)で共演したことがあるのですが、今回はその時に上演した「平家幻想」というダンス作品を改変しての再演でした。

私は琵琶で活動を始めてもう25年以上経ちますが、最初から毎年舞踊家と舞台に立っています。ジャンルは様々で、舞踏のような前衛からバレエ、モダンダンス、フラメンコのような洋舞系、そして能や日舞、地唄舞等の和ものまで、色んな舞台で一緒にやって来ました。舞人と一緒にやると毎回いろんな発見があるのですが、それは何と言っても空間の使い方ですね。音楽家は音楽に集中するので、空間の把握はあまりしませんが、舞人は隅から隅まで空間を見て、照明効果も考えて舞台を創ろうとする。この姿勢・感性にいつも大いに刺激されるのです。今回はスタジオでの練習時には漠然としか全体が見えていなかったのですが、当日ゲネプロ動画を見返していて、自分が創造している遥か上を行く素晴らしい空間になっている事にびっくりしました。照明の使い方が絶妙で、実に美しい。更に各セクションの切り替え部分が、舞台全体で観ると実にスムーズなんです。音だけではちょっとつなぎがどうかなと思っていた部分も映像で観ると全く無駄がなく、且つ自然な流れになっていました。今回も舞台への視野をまた一歩広げてくれました。

大谷チームの面々 左から笛:玉置ひかり 舞踊:杉本音音 大谷先生 私 舞踊:工藤史皓


今回は笛の玉置さん、舞人の工藤君、杉本さんと若手が揃い、大谷先生が要所を締めるという形でしたので、とにかくフレッシュなエネルギーが満ちていて、全体にとてもさわやかな雰囲気がありました。良い経験をさせてもらいました。

何故舞人とずっと共演してきたのか自分では判らないのですが、縁があるのでしょうね。花柳面先生や津村禮次郎先生、バレエの雑賀淑子先生には何度も声を掛けてもらって、いくつもの舞台をやらせてもらいましたし、モダンダンスの萩谷京子先生や田中いづみ先生、フラメンコの川崎さとみさんなんかと御一緒したり、アンサンブルまろばしの公演では花柳面萌さんと新作を上演したり、そのいずれもがとにかく刺激的で、楽しく想い出深いものでした。舞踏の方は皆即興でやるのですが、そういうスリリングなものも面白かったです。本当に共演する度に多くの事を学びました。舞人によって私は育てられてきたのではないかと思う程です。こういう経験こそが私の琵琶人としての25年程の活動の財産ですね。是非次世代の琵琶人もこんな経験をして行って欲しいと思います。

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左:人形町楽琵会にて津村禮次郎先生と 右:ルーテル市谷ホールにて花柳面先生と

左:横浜ZAIMにてヤンジャさんと 中:キッドアイラックアートホールにて 牧瀬茜さん SOON・Kim(ASax)さんと 
右:武蔵野スイングホールにて かじかわまりこさんと

左:本木ストライプハウスにて 坂本美蘭さん 尺八の藤田晄聖君と

右:西横浜エルブエンテにて 藤條虫丸さん 魔訶そわかさんと


9月28日(土)には注目の若手の舞踊家 西川箕乃三郎さんと、今回共演した笛の玉置ひかりさんを迎えて、人形町楽琵会のラストライブをやりたいと思っています。人形町楽琵会はコロナでずっと休止状態でしたが、これで一区切り。規模は小さいですが、若手と一緒に今後の発展を期待して盛り上げたいです。

詳細はまだなのですが、是非お越しくださいませ。
人形町樂琵会 | 小堺化学工業株式会社 (kosakai.co.jp)

これからも魅力ある舞台を創って行きたいですね。

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