マイルストーン

琵琶樂人倶楽部のお知らせ専用ブログを開設しました

先ずはお知らせです。琵琶樂人倶楽部のこれ迄の軌跡と、年間予定、そして毎月のお知らせをする専用ブログを上記のように開設しました。是非こちらもご覧になってみてください。琵琶樂人倶楽部は毎月テーマを決めて、多彩なゲストと共にレクチャー・演奏を通し、様々な琵琶樂を聴いて頂く会です。特に御予約の必要ありませんので、是非お気軽にご参加ください。

こちらの写真は東京公演のもの photo 飯野高拓

先日は東京に続き、新潟リュートピアにて「能でよむ」公演をやって来ました。

新潟県では、湯沢や六日町では何度も演奏してきたのですが、新潟市内での演奏は随分前に小さな所で演奏したきりでしたので、ほとんど初めてという気分でした。
公演内容は、今月初めに池袋の「あうるすぽっと」でやったものと同じ内容でしたので、良い感じでこなれて来て気持ち良く出来ました。この公演は来週熊本にて再々演になりますので、お近くの方には是非お越しいただきたいと思います。

今回は公演の前日早目に新潟入りしたので、知人に車を出してもらって、色々と新潟を案内してもらいました。夕方、海に沈む夕日は、これまで見たことのないような素晴らしさで、ちょうど雲が夕陽を隠し、光の筋だけが降り注ぐ光景は、得も言われぬ絶景でした。そんな光景を見ながら、様々な事が心の中に去来してきました。先日の焼津でもそうでしたが、やっぱり私は海を見ていると、何か湧き上がるものがあるようです。

以前の知り合いに、「人生は常に通過点の連続だ」なんてことを言う人がいました。今この年齢になって思うと、通過点を意識し、何かに一区切りをつけるというのは確かに人間らしいですね。お祭りや儀礼から極個人的な事に至るまで、私たちは常に何かしらの通過点をイベントのような形にして、マイルストーンを刻みながら生活していると思います。
コロナのせいもあるのでしょうが、この秋は何か私の中で一つのマイルストーンを越して行くような気分がとても強いのです。

先ず琵琶樂人倶楽部が来月で15周年を迎えます。特に特別な演奏会などはしないのですが、私の中では15年という年月はやっぱり大きな奇跡ですね。こうして15年という節目は一つの区切りですし、このマイルストーンから明日が始まるという想いが湧き上がっています。私が今、琵琶奏者として生きて行けているのは、この琵琶樂人倶楽部の存在があったからこそだと思っています。仕事の少ない時でもとにかく毎月自分を表現する場があるという事は、舞台人にとってありがたい事。それに普段の舞台では出来ないような様々な実験をすることも出来ましたし、演奏だけでなく、毎年色んな大学や文化講座等でやっているレクチャーも、この琵琶樂人倶楽部で何度となく小さなレクチャーをやっているので、その度に関係した本を読んだり、多くの人と話をして、そんな中で知識が増え、琵琶樂に対する私なりの解釈・考察も深まって行きました。

人形町楽琵会の方も紆余曲折を経ましたが、5年目を迎え心機一転、12月にまた再開をしますし、琵琶樂人倶楽部も15周年という節目に立ち、また一つのマイルストーンを刻み、先へと歩みを進めて行く事が出来、本当に嬉しく思っています。

琵琶樂人倶楽部にて photo 新藤義久


コロナ禍にありながらも、昨年よりありがたいことに沢山のお仕事を頂いて、何とか生きて行けているのですが、やはり私は小さくとも自分の舞台を創って行くのが使命ですので、またどんどんと曲を創り、出来るだけ舞台をやって行こうと思っています。
幸いに一緒にやってくれそうなパートナーも居ますし、世の中も動き出してきているので、琵琶樂人倶楽部や楽琵会の他にも、舞台を創って行きたいですね。
元よりショウビジネスの音楽ではないので、利益の追求は出来ないですが、作曲、演奏、レコーディングそれぞれに、自分が本当に求めるところを具現化して行きたいです。配信での作品の発表も2018年以降やっていないので、これからまた新作を発表して行く予定です。

琵琶樂人倶楽部15周年記念の会
2021年11月10日(水)
場所:阿佐ヶ谷ヴィオロン
時間:18時30分開演
料金:1000円(コーヒー付)
出演:塩高和之(琵琶)大浦典子(笛)
演目:まろばし~能管と琵琶の為の 花の行方~篠笛と琵琶の為の 西風~篠笛と琵琶の為の
    古の空へ~琵琶独奏の為の 他

予約は特に要りませんので、是非お気軽にお越しください。会場は18時から入れます。

2011年1月の琵琶樂人倶楽部にて、古澤月心さん(錦心流)、石田克佳さん(薩摩正派)との薩摩琵琶三流派対決


長く生きていれば、辿ってきたマイルストーンも増えて行きます。それは自分の軌跡です。世の中は急速ともいえるような速さで変化して行くので、社会の在り方に伴って、活動のやり方は今後様々に変わって行くと思いますが、音楽を創り発表して行くというスタンスは何も変わりません。これからもマイルストーンを越えて、器楽としての琵琶樂の確立というヴィジョンに、突き進んで行きたいのです。

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