日本橋富沢町樂琵会2018

今年も日本橋富沢町樂琵会が始まります。今年で3年目となるのですが、だんだんと良い感じのペースが出来上がってきました。
それと日本橋富沢町樂琵会のHPも、会場となっている小堺化学興行のHPに新たにコーナーを作っていただきました。 日本橋富沢町樂琵会HP:http://150.60.177.171/rakubikai.html
まだ作りかけなのですが、今後のスケジュールなど載せています。是非ご覧になってみてください。

毎月やっている琵琶樂人倶楽部は、レクチャーが半分、演奏が半分というスタンスで、出演も若手の方や、独自に色んな活動を展開している人に絞っているのですが、日本橋富沢町樂琵会の方はレクチャーをやめて、演奏だけに絞っています。またゲストもベテランの演奏家に声をかけていて、能の津村禮次郎先生、尺八の吉岡龍見さん、俳優の伊藤哲哉さんなど、毎回先輩方々をお呼びして、演奏をたっぷりと聴いてもらってます。場所も琵琶樂人倶楽部が阿佐ヶ谷、日本橋富沢町樂琵会が日本橋と離れているので、お客様の雰囲気も違っていて、やるほうとしても面白いのです。

今週15日(木)の会では、私の新しいCDの発売記念も兼ねているので、CDでも共演しているベテランヴァイオリニストの田澤明子さん、尺八の吉岡龍之介君をゲストに迎え、CDに収録されている作品の演奏をします。現代の薩摩琵琶を是非是非聴きに来て下さい。19時開演です。

昨年4月の回 津村禮次郎先生と
日本橋富沢町樂琵会、琵琶樂人倶楽部共に本当に良い形で続けられるのも、聴きに来てくれる皆様のお陰です。ライブは集客がとにかく一番大変なのですが、いつもなんやかんやと色々な方が来てくれるのは、本当にありがたいですね。
こうした定例会は、無理があると続かないのです。経済的にも、気持ちの面でもとにかくもう日常のような感じになってくると、無理なく続けてゆくことが出来ます。琵琶樂人倶楽部はもう11年目で120会を越えていますが、11年やってきたという実感があまりありません。それは自分の音楽活動の中で日常のものとしてやっているからです。

こうした定例会をやるきっかけは、まだ若手といわれた30代の頃、自分自身が色々な琵琶楽に興味を持ちながらも、それらを実際に聞く機会が無かったからです。各流派も定例会をやっていますが、それはあくまでお浚い会であって、お稽古した曲しかやりません。近現代に出来上がった○○流だけ、弾き語りだけという限定されたものしかやってくれないのでは、私には全然物足りなかったのです。私は琵琶楽がお稽古事ではなく、生きた音楽として常に世に響いて欲しいと、ずっと思っていたのですが、私の想いを満たしてくれるような会は、当時どこにも見当たりませんでした。

若かりし頃
そうしたら自分でやるしかないでしょう!!。多様な琵琶楽の魅力をこちらから紹介して行くのはもう私の使命か、と思い立ち上げた次第です。声張り上げているだけで、ほとんど琵琶を弾かない近現代のスタイルは、琵琶の音色を聴きたい現代人には全然ぴんとこない。そうしたものを「これが琵琶だ」とばかり押し付けてもファンは増えません。逆効果です。雅楽や能、長唄、筝曲などの日本音楽の中でも、薩摩筑前の琵琶は新参者なのです。琵琶楽には平安時代から器楽、合奏、創作など等様々なスタイルがあるのですから、それを聴かかせない手はありませんね。
またいつも書くように薩摩・筑前の琵琶は流派というものが出来てまだ100年程しかたっていません。琵琶楽千数百年の歴史がありながら、どうして近現代に成立した薩摩筑前が古典といえるのかが私には理解が出来ませんでした。大体、軍国ものや忠義の心などの曲を古典と言われても、到底受け入れることは出来る訳がありません。更には70年代80年代に成立した流派まで古典だと言い放つ始末。私はこのようないい加減なご都合主義の風潮に、一石を投じる為にももっとまともな琵琶楽の歴史を紹介したかったし、軍国ものなんかを琵琶だと思われては困るとも思いました。琵琶楽は多様で魅力溢れるものとして聴いてもらいたい、その為にもこうした定例会を立ち上げ発信することはとても有効だろうと思ったのです。

今後の予定は

4月21日はいつもの相棒 笛の大浦典子さんとシルクロードをテーマにした樂琵琶の演奏。

6月21日は私の琵琶を作ってくれた石田克佳さんを迎え、正派薩摩琵琶と錦琵琶の聞き比べ、そして琵琶にまつわる様々なお話を聞かせてもらいます。
10月18日はついに夢の実現!。憧れの田原順子先生を迎え、演奏とお話を伺います。

29

12月はまだ企画の段階ですが、能の津村禮次郎先生を迎えNewversionの戯曲「良寛」を上演する予定です。

現代では琵琶は本当にマイノリティーな存在になってしまいましたが、琵琶は平安の昔から、ずっと歴史の中で様々に形を変え、日本の風土に鳴り響いてきました。是非是非古典から薩摩筑前の新しい琵琶楽まで聴いてくださいませ。
日本橋富沢町樂琵会・琵琶樂人倶楽部にてお待ちしております。

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