度重なる台風で週末は大変でしたね。演奏会など企画されていた方はご苦労が多かったことと思います。
私は山陰から帰ってきた後、この10日程はサロンコンサートがいくつか入っていたものの、週末がわりに隙でしたので、台風の影響も無く、ゆっくりしていました。
そんな中、28日の土曜日、年に一度の阿佐ヶ谷ジャズストリートに参加して来ました。
昼間がアートスペースプロットでの演奏。夕方からは雨の為、ストリートの予定がイタリアンレストラン「チーボ・サーノ」での演奏に変更になり、室内で気持ちよく演奏できました。まあギターは年に一度しか弾かないので上手くは弾けませんが、何しろ演奏するのが楽しいのです。今年もフルートの吉田一夫君、ベースの川原淳君そして私による「SKYトリオ」で楽しんできました。終わってからは、別会場で演奏していたSaxのスーン・キムさんとも合流して盛り上がってきました。たまにはこういう楽しみながらの演奏も良いですね。

日本の音楽とジャズは全く違うともいえるし、とても似ているともいえます。自由に表現する姿勢は本来の邦楽にぴったり。「間」の感覚や自由自在なアンサンブルなども相通じるところが大きいですね。私はジャズを通り越してきたからこそ、今があると思います。逆にジャズをやっていなかったら、私の音楽は成立していなかったとも思っています。世の中のセンスは刻一刻と変わって行きますので、ジャズを知らなくてもなんら問題はないですが、ジャズを聞いてきた人の演奏はすぐに聴いて判りますね~~~。

ジャズは私にとっては心の故郷みたいなものです。だから妙におしゃれに化粧したジャズは馴染めませんし、ショウビジネスに寄りかかったものも遠い感じがします。まあ生まれ育った故郷から田んぼが消え、ビルが立ち並び、おしゃれなお店が出来たところで、何も感激しないのと同じですね。
ジャズに限らず音楽は形ではないのです。これは日本の音楽も同じで、習ったことを上手にやっているような演奏はお稽古事であって「音楽」ではないのです。表面の体裁を整えて、形を取り繕っても、そこには人間の持つ命の輝きは存在しません。音楽は輝きであり、エネルギーそのもの。私が熱狂して聞いてきた音楽家は皆、エネルギーの固まりそのものでした。今こそ、邦楽もその命の輝きを感じ、取り戻して欲しいですね。本来邦楽は日本人の生命でありエネルギーであったのですから・・・。私の音楽もそんな風に聞いていただけたら嬉しいです。
さて、今週と来週で8枚目となる私のリーダーアルバムのレコーディングです。今回は今までとは録音のやり方を180度変え、スタジオでの録音にします。今まではホールを借り切って、高性能のステレオマイク1本で一発録りだったのですが、今後はネット配信という事も念頭において、スタジオで録音し、細かな編集も視野に入れてやることにしました。
今回はViのベテラン田澤明子さんにも参加を願いまして、1stアルバムに入れた「二つの月」の最新ヴァージョンを演奏してもらいますので、こちらも気合を入れてかからないと,とても太刀打ちできません。今回のCDは初心に立ち返るような気持ちで望むつもりですので、1stでチェロと一緒に演奏したこの曲を、新たに編曲して、田澤さんと対峙したいと持っています。
ジャケット画は今回も版画家 澤田惠子先生の作品を使わせてもらいます。題字も、これまで沙羅双樹シリーズではずっとお世話になっている書家 白石和楓先生の作品です。

ジャズで気分もほぐれて余計な雑音が消えてきましたので、これでレコーディングに集中出来ます。気持ちの良い部屋に時々行くことは素晴らしいことですが、そこに留まっていては何も生み出せません。
私は音楽を創り出すことが使命だと思っています。琵琶の魅力が煌くような作品をどんどん創ってこそ私の音楽活動は成就するのです。時々気持ちの良いところで心身を癒しながら、これからも自分の仕事をやって行きます!!
CDは年内には完成の予定です。完成と同時にネット配信も開始しますので、是非是非お聴き下さいませ。
お稽古事ではない、輝きに満ちた琵琶楽をもっともっと響かせたいですね!!。