過ぎ行く日々2017年初秋

朝晩はすっかり秋の風情ですね。やっと体も楽になりました。

先日は気分転換に犬吠埼へ行ってきました。私は地方の小さな鉄道に乗るのが結構好きで、いわゆる「乗り鉄」というやつです。遠い所の仕事でも、やむをえない場合以外は飛行機はまず使いません。料金が高かろうが時間がかかろうが、とにかく鉄道に乗ってゆくのが楽しいのです(出来たら船旅もやってみたいですな)。
先日も鹿児島の仕事で、行きはどうしても飛行機に乗ってくれと言われ、渋々従ったのですが、「帰りは絶対新幹線で帰る」と言い張って、7,8時間かけて東京に戻ってきました。
先日は、少しスケジュールが空いてきたので、前々から乗ってみたかった銚子電鉄に初乗りした次第です。とにかく電車に乗って、のんびり見たことの無い田舎の景色を見たり、時に居眠りをしたりするのが楽しいのですよ。特に地方を走る、1両か2両編成の小さな電車はたまりませんな!!!。

来月は島根県の益田でこんなお仕事があるのですが、勿論私一人だけ鉄道で行ってきます(他の方は飛行機だそうです)。帰りには来年廃線が決定している三江線に乗ろうかと画策中です。ちなみに先月は詰め込まれたスケジュールの中を強行突破で、「天空に一番近い列車」小海線に乗り、小淵沢から小諸まで行ってきました。

北鎌倉の其中窯サロンにて 映画監督の川瀬美香さん撮影

お楽しみはさておきまして、今は11月に予定している8枚目のCDのレコーディングのリハーサルや、曲の見直しをやっています。次ぎのCDは全編薩摩琵琶によるもので、コンセプトは「創造と継承」。弾き語りなどの従来のスタイルを土台にしながらも、過去には寄りかからない。常に自分らしい中身に仕立てて、次世代スタンダードとなって行くような作品を作るつもりで構想しています。

1stアルバムではとにかく、何が何でも最先端の前衛を突っ走ることの方に比重があったのですが、やはり前衛は過去があってこその前衛。あれから約15年経った今、琵琶に対する姿勢も定まって、スタイルも安定して来ました。
この間に樂琵琶に出会い、演奏の幅を広げ、樂琵琶のみのCDも3枚出したことで、かえって薩摩琵琶に対する自分のスタンスがしっかりと見えてきたともいえますね。今度のCDにはViとのデュオ曲のような前衛的な作品もありますが、弾き語りもあります。現代の世の中にあって、薩摩琵琶の存在はどういうものであるのか。どうありたいのか。奈良平安から続く琵琶楽の歴史を背負いながらも、その最先端としての現在の姿を自分なりに表現をしたいと思います。
という訳今回は、現在の自分尾姿をそのままに表現するような作品集となる予定です。新しく編曲した「壇の浦」や「祇園精舎」、そして新たな相手を迎えての「まろばし」、そして新作の独奏曲、Viとのデュオ曲など、これからの私のレパートリーになって行く曲を揃えました。勿論これらが次世代スタンダードになるといいなと思っております。
勿論今回も、手馴れた曲を披露するようなことはしません。いつものように新鮮味に溢れた曲を収録します。従来の形を土台にしている曲もありますが、あくまで塩高スタイルになっています。CDでお上手を披露しても意味は無いと考えています。それよりも音楽を創り出す気迫や勢い、エネルギーを感じて欲しいから、常にフレッシュな作品を録音するのです。乞うご期待!!。

私は演奏活動に関しては旺盛にやらせてもらっていますが、CDに関しては目の前で売れるようなものはつくっていません。なるだけショウビジネスとは距離をとって、明確に芸術性を示し、ぶれないで行こうと決めています。売れるとか有名になるとそういうことよりも、作品が確実に世に残り、自分の創った作品を演奏して全国を回り、色んな出会いに囲まれて行くのは嬉しいものです。肩書きも芸名も、さしたる大きなキャリアも無いですが、私はこの生き方が好きですね。逆に肩書きやら賞やら名誉を追いかける人生にはしたくありません。今のこのやり方が実に幸せだと思っています。

さて、今日は9.11ですね。今年も和久内明先生、津村禮次郎先生と共に、「9,11メモリアル」を武蔵小金井駅前の宮地楽器ホールでやりますので、是非お越し下さい。18時30分開演です。

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