先日、日本橋富沢町樂琵会が無事終わりました。何が無事かというと、この時期は花粉症なのです。年によってひどく鼻が詰まったりするので、声がまともに出るかどうかいつも戦々恐々なのですが、今回は良い感じで声が響いてくれたのです。良かった!。

それに加えて、今回はまた一つ声の使い方が進歩したように感じた演奏会でした。昨年秋ごろより、声の出し方、体の使い方を少しづつ変えていたのですが、良い感じになってきたものの、どうも腑に落ちないところがあり、「何かが足りない」という想いが拭いきれなかったのです。足りないのは、ずばり「力を抜く」ことでした。

H氏が良く弾いていた樂琵琶
私のアドヴァイザーだった故H氏は、私によくに「エネルギーが強い」と言っていました。表面はどうか判りませんが、どうやら私はちょっとエネルギーが強い人のようです。
大体人が何かを創ろう、表現しようとするとエネルギーが強くなるのは当然ですが、私は常にそんな事ばかり考えているせいか、どうしてもエネルギーが強くなりっぱなしになっているようなところがあるようなのです。そのエネルギーを上手く使いなさい、ということを昨秋から学ばされたのでしょうね。
エネルギーのコントロールが出来ないということは、言い方を変えれば、自ら振り回されて、音楽に対し、又は周りに対し謙虚さを忘れているという事でもあります。つまり奢っているのです。色々と自重しました。
先日の演奏の日の昼間にふと、「力を抜いて」という発想が沸いてきて、そのままやったのですが、何の気負いも無く、すんなりと身体が変わっていきました。演奏後、その思考と身体で自分自身を見つめてゆくと、現在の自分の問題点をそのまま視覚的に感じることが出来たのです。
考えてみたらこういう瞬間は今までにも何度かありました。その都度多くの学びがありましたが、今回もそんな感じでしょうか。

この春はやはり作曲に専念します。今の私に必要なのは、意識の洗練、そして作曲です。ヴィジョンは出来ているので、そこに向かってエネルギーを集中させてゆく事が最優先です。体の使い方一つとっても、エネルギーを向けるべきところに向けていかないと良いものは生み出せません。今はもっと自分自身が洗練されて行くべき時期なのでしょう。精進あるのみです!!
これからも是非御贔屓に。