急に寒くなったり、春の陽気になったりして体が追いつきませんね。そろそろ私の愛してやまない梅の時期なのですが、花粉も飛び始めているので、なかなか足が動き出しません。
とはいえ、来週には今年は初となる日本橋富沢町樂琵会があり、筑前琵琶の鶴山旭翔さんと「壇ノ浦」対決をやる事になっているので、まだまだ気が抜けません。

私は相変わらず色んな夢を見ます。何故こんなに寝る度に、説明も出来ないような荒唐無稽の夢を見るのか、本当に不思議ですが、寝る事は別世界へと飛んで行けるので、私にとっての楽しみでもあるのです。
最近見た中では、パラレルワールドともいえる並列した別の世界を行き来する夢。これが出色です。登場人物は身近な友人達で、景色も同じなのですが、明らかに違う世界へ行き、こちらに戻ってきて、また行って・・・。こんな事を繰り返す夢を見るのです。
考えてみれば私は普段から色んな世界に身を置いています。先日もジャズギタリストの並木健司先輩のライブを聴きに行って、ジャズギター談義で大いに盛り上がってきましたが、普段から古武道の稽古に行ってみたり、食べ歩き仲間とお店を渡り歩いたり、オペラ好きの仲間とLive viewingで感激したりして、琵琶関係以外のところでのお出かけがかな~り多いのです。ギター屋さん巡りなんてのも重要な楽しみの一つです!。どれだけ遊んでんだ!と怒られそうですが、音楽でも邦楽だけでなく、ジャズ、クラシック、フラメンコetc.と色んな仲間が居て、色んな世界に繋がっていくのがとにかく楽しい。日々およそ琵琶弾きらしからぬ日々を送っています。
阿佐ヶ谷ジャズストリートにて
しかしその色んな世界が往々にしてリンクしてくるのが面白いのです。古武道の稽古がそのまま音楽に関わってきたり、パスタのホワイトソースの味が縁になって演奏会に繋がったり、何だか知らないうちにフラメンコの舞台で琵琶弾いていたり・・・・。一般の方ではありえないような感じですが、もうあらゆるものがどんどんと繋がっていくのです。今、琵琶奏者としては様々な所や場面でお仕事を頂いているのは、こうしたシンクロのお陰です。そしてこうやって世界がリンクして行く瞬間はいつもワクワクするのです。
こうしたいろんな世界の人たちと一緒にいる時には、琵琶奏者という看板は全く無くなってしまいます。まあ私の場合は流派協会には関係ないし、芸名も受賞暦も何も背負うものがないので、掲げようにも看板というものがないのですが・・・・。
ただの人ゆえに、様々な世界に自由に出入りが出来るのです。それはいうなれば、どれも私にとってパラレルワールド。何だか夢と現実がシンクロしているようです。
音楽は誰が聞いても、演奏しても良いもの。つまり自由であると言う事こそが音楽である前提です。多くの人があらゆる視点と感性を持って演奏し、作曲し、聞いてくれる。これが音楽の醍醐味です。リスナーはそれぞれが日常と違う世界を感じたくて演奏会に来ている訳ですから、会場にはそれぞれのパラレルワールドが展開しているともいえますね。だから演奏会とは、あらゆる感性が集う、類まれな素晴らしい空間なのです。そして自分がその舞台の中央に立っているというのが、またゾクゾクしますね。夢の司祭みたいな感じかな??。
一つの視点・概念を主張して、「○○はこういうものである」という押し付けるような演奏をしていたら、それに合う人お仲間だけが集るオタクの集会になって、もう演奏会ではなくなってしまいます。色んな人が集ってくれる為にも、多くの人が様々な視点を自由に投げかけることが出来、また色んな視線・感性の中でも輝くような魅力のある音楽を演奏したいですね。

がんばっていると、それがいつしか拘りになってしまいい、自分はこういう存在だ、こうでなければならないという気持ちが強くなって、見えるものも見えなくなりますし、人の意見も聞こえてこなくなります。がんばることも、時にちょっと一休みして、何者でもない素のままの自分で居ると、世の中面白いことが沢山あることに気づくものです。私のような人間は、色んな所とつながることで生かされているのだろう、と最近強く思うようになりました。
現実でも夢でも色んな世界を行き来するのは、実に楽しく、そして私を豊かにしてくれるのです。

さて来月は、3,11に福島で追悼・奉納の会があります。毎年3,11には都内にて、哲学者であり詩人・劇作家の和久内明先生主宰の会をやっているのですが、今回は福島にて、能の津村禮次郎先生、和久内先生、詩人の和合亮一さん、女優の夏樹陽子さんという先輩方々と奉納舞台をやる事になりました。福島の方は是非お越し下さいませ。
公式のHPは http://311inori.net/ryokan.html こちらです。ご予約が必要なようですので、是非お問い合わせ下さい。
さて確定申告も早々済ませて、これからお花見三昧!