Live !!

先々週の阿佐ヶ谷ジャズストリートに続き、29,30の土日は高円寺フェスというイベントがありました。杉並区はとにかくお祭り好きで、秋は毎週どこかで大きなイベントをやっています。

高円寺フェス2016

その土曜日には、昼間国立劇場で高野山の声明を聴きに行ってから、夕方ふらりと高円寺の賑わいの中に繰り出したら、歩き出したとたんにブルースギタリストのホセ有海さんとばったり。今日はライブだから聴きに来ないかというお誘いに乗って、ペンギンハウスに行ってきました。ここは私が20歳くらいの時に演奏した事があるお店でもあり、ホセさんが参加している「仲田修子バンド」はご機嫌なサウンドで知れているバンドなので、二つ返事で行ってきました。

ペンギン2016ホセさんライブ中
会場に行くと、何とびっくり筑前琵琶の田原順子先生が居るではありませんか。田原先生は琵琶の世界で唯一話の出来る先輩であり、私が今やっている事を20年30年先駆けて実践してきたパイオニア。こういう人が居たからこそ今の私があるといっても良いほどの方なのです。その田原先生が来ているなんて感激でしたね。となりに坐らせていただいて、じっくりと話をする事が出来ました。田原先生はホセさん、仲田修子さんとも長いお付き合いだそうです。さすが!!こういう先輩は他には居ませんよ。

そして今回はゲストの対バンがあると聞いていたのですが、そのバンドが想像をはるか超えるご機嫌なバンドだったのです。いや~~ドンピシャという感じで久しぶりにはじけました。また是非聴きに行きたいバンドです。田原先生もノリノリ!!
モンスターロシモフ http://monros1234.boy.jp/top/

この熱狂、そしてパフォーマンスが琵琶には無いのですよ。残念で仕方がないですね。お稽古した曲を上手に弾くというところで止まってしまっている。舞台全体を視野に入れてやらなくちゃ!!。
ロシモフにプッシュされたかのように、その後の修子さんバンドもいつになく気合が入って、ホセさんのギターも炸裂!!、いつも本当に良い音を出してますな。私も琵琶でこういう音を出したい!!

2016高円寺フェス
尼理愛子・金澤白文

毎年この時期は演奏会シーズンの真っ只中なのですが、10月半ば過ぎの土日は強制的に仕事を入れないという内なる心が働いているのか、ここ数年は奇跡的に時間が空いているのです。次の日も高円寺フェスに繰り出して、我らが愛子姐さんはじめ、高円寺ではおなじみの「Go Go Marchans」など彼らのサウンドを我が身にたっぷり染み込ませてきました。こんなに体が踊りだすのも久しぶりでしたね。愛子姐さんは何とも哀愁を誘うような「和」っぽい雰囲気に磨きがかかりましたね。
やっぱり中央線は面白い。もう30年に渡りこの辺りに住んでいるのですが、年々街が盛り上がってきている感じで、益々好きになりますね。

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先日の阿佐ヶ谷ジャズストリートにて、フルート吉田一夫君、ベース川原淳君と

やっぱりライブバンドは凄いパフォーマンスを持ってますね。私はどうも仏頂面なせいか、逆立ちしてもこういうパフォーマンスが出来ないので、自分が出来ない分、ライブバンドには昔から憧れがあります。しかしながら自分にはやっぱり琵琶が一番似合っていると思うし、エンタテイメントよりも、静かなギタートリオみたいなものが合っています。年をとればとるほどに音楽を通して自分が見えて来ますね。

13ヒグマ春夫映像パラダイムシフトVol.77 尺八の田中黎山君、ダンスの小松睦さんと
音楽には熱狂というものが一つの大きな要素だと思います。ノリノリのロックンロールという事でなく、私の琵琶を聞いて静かなる熱狂を感じてくれる人がいたら本望ですね。尺八と琵琶の「まろばし」や、独奏の「風の宴」をやっている時にはそんな手ごたえを感じますが、琵琶のインストものの分野はなんとしても今生で確立したいです。

音楽はどんな音楽であれリスナーに聴いてもらってこそナンボ。クラシックでも雅楽でも形は変われども、こういう音楽の本質は変わらないでしょう。今邦楽はどうでしょう???。世間とは関係なく、小さな業界内に向けて自分の存在を必死に誇示しているように思えてなりません。リスナーを忘れていないだろうか。

どんなやり方でも良いと思いますが、かつての永田錦心や鶴田錦史のように聴いている人を巻き込んでしまうような熱狂が是非欲しいですね。優等生芸では、誰も振り向いてはくれないのです。

高野山声明からロック&ブルースまでたっぷりと酔いしれ、久しぶりに血沸き肉踊る感覚を味わった二日間でした。

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