先日、第94回琵琶樂人倶楽部「次代を担う奏者達Ⅲ」をやってきました。今回は若手女流演奏家3人をゲストに迎え、大変華やかな演奏をして頂きました。
演奏してくれたのは左から、平野多美恵さん(筑前琵琶)、藤高理恵子さん(筑前琵琶)、青山藍子さん(薩摩五弦琵琶)のお三方。それぞれのスタイルを持ち、それぞれの考え方で琵琶に取り組んでいる姿がさわやかでした。3人共すでに活動を色々とやっているし、方向性も見えて来ているようなので、今後の活躍が楽しみです。
琵琶樂には市場というものが無いので、仕事は待っていても来ません。プロとしてやっていくためには作品作りは何よりも第一ですが、それを世に出して行く術を身に付けない限り、お教室の先生で終わってしまいます。世に出なければ評価もされないし、収入も得られない。またレベルも上がらない。だからマーケティングやプロデュースということもプロとしての大事な活動なのです。自分の音楽をどうやったら世の中に響かせることが出来るか。ここを考え、実践し、且つレベルの高い音楽をやれる人だけがプロとしてやっていける。その他はただのお師匠さん。「上手」などとという言葉はプロへの評価ではありません。お稽古事への評価です。厳しいですがこれが現実です。こんな状況の中で彼女たちがどんな形で今後琵琶を世に響かせてゆくか楽しみですね。期待しています。
この日は、田原順子さんなどベテラン勢も駆けつけてくれて、終わってからの打ち上げもかなりの盛り上がりでした。


私に与えられた道は琵琶を演奏するだけでなく、多くの人に琵琶楽の魅力を伝えること。派閥や流派、格など小賢しい村意識に留まることなく、素晴らしいものを世に伝えるのが私の道です。そういう意味でも田原さんや、琵琶樂人倶楽部を一緒にやっている古澤月心さん等、垣根無く大きな懐を持っている先輩方々とつながって行くのは当たり前のことだと思います。志を同じくする人とはどんどんと繋がって行きたいですね。
来年は100回目を迎えるのでまた何か企画したいと思っています。我が道は果てしないのです。