秋の演奏会色々2015-Ⅱ

今年は本当に多くの演奏会を頂いて嬉しい限りなのですが、ゆっくり琵琶を聞けるのはどの演奏会ですか?と聞かれることも多いので、これからの秋の演奏会の中からピックアップしてお知らせさせて頂きます。

私の独演会などもあるのですが、今月は静岡県の磐田市にあるシルクロードミュージアムという所でやりますので、ちょっと東京の方には遠いですね。薩摩と樂琵琶をたっぷり一人で弾くんですが・・・。関東圏で一番しっかり聞いて頂けるのは、11月7日の北鎌倉でやるReflectionsライブシリーズ「深みゆく秋を聴く」でしょうか。樂琵琶の演奏ですので、薩摩琵琶を聞きたい方には向かないのですが、第一部は古典雅楽や秘曲そして敦煌琵琶譜の復曲など古典ものをガッツリとやって、第二部ではシルクロードへと想いを馳せたオリジナルをたっぷりと弾きます。

2015古民家

北鎌倉古民家ミュージアム、シルクロードミュージアムの他は、レクチャーコンサートが3つ(和歌山アートキューブ・府中市民講座全3回の内2回)と新しい倍音楽器ポリゴノーラのシンポジウム&コンサート(近江楽堂)、琵琶の各流派代表が出演する演奏会(豊田能楽堂)など色々あるのですが、いずれも演奏は一部だけで演奏をしっかり聴きたい方にはちょっと向かないものが多く、なかなかどれをお勧めしたらいいか悩むところです。
また私は演奏しませんが、毎月定例の琵琶樂人倶楽部では、若手女流3人にそれぞれ演奏して頂くという企画をやります。私は企画側なので、司会進行を担当しますが、こちらも女流の琵琶楽を聞きたいという方にはお勧めです。
12月には紀尾井町の料亭「福田屋」さんでの独演会や、フラメンコギター・ウード・琵琶のトリオによる「弦流」の演奏会、俳優の伊藤哲哉さんと組んだ「方丈記」の朗読舞台などが入っておりますので、こちらのHPスケジュール欄をご参照ください

http://biwa-shiotaka.com/schedule
お問い合わせは orientaleyes40@yahoo.co.jp まで。

1私は琵琶奏者には珍しく(というか他に居ないのですが)薩摩琵琶・樂琵琶の両方を弾きますし、演奏形態も実に様々で、オーケストラとやったり、フラメンコと一緒にやったり、デュオ・ソロ、そしてレクチャー等々とにかく幅広いのが私の特徴です。まあ演者というものはお客様の期待に応える部分と、期待を裏切る部分の両方が無いとプロとしてやっていけませんので、これは良いことだと思っていますが、琵琶=渋い弾き語りという耳なし芳一みたいなイメージを持って来られる方は、皆さんびっくりされますね。

とにかく毎回どんな演奏会でも常に圧倒的な高いレベルでいることです。雑な演奏は絶対にしない。それが演奏家の矜持というものです。リスナーは想像していたのと違うものを観せられると。それがハイレベルであればあるほどかえって強い興味を持ってくれるものです。何しろ予定調和というやつが一番芸術家にとって相性が良くないですね。同じ曲をやっても前とは違う魅力を出してくるのがプロであり、リスナーはそこを期待して聴きに来るのです。常に時と共に内面が変化し、そこを表現してこそ音楽に命が宿ります。単なるお上手な演奏にはそれが無い。だからまともなプロの演奏は何度聞いても、汲めども尽きぬ味わいがあるのです。邦楽でも琵琶でも衰退の原因は正にここです!。

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そして演者は芯がぶれていないということが何よりも重要ですね。幅広く出来るのは結構ですが、何をやっても主義主張に一貫したものが無くては、かえって評価を下げます。商売とはいえやるべきでない仕事はやってはいけないのです。アーティストは色々な形でアピールしながら自分の世界を確実に伝えて行くのが仕事。自分がやることで満足しているようではいけません。それはただの個人的な充実感。伝わる所まで徹底してやる。これが私達の仕事です。

という訳で、こんなことを想いながらこれからも色々とやります。様々な場面で琵琶が活躍しますので、是非是非ご贔屓に。

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