友、遠方より来る2015

今年も台湾の友人達が来てくれました。

2015-2-12

写真は左から二胡奏者の林正欣さん、琵琶奏者の劉芛華さん、二胡奏者の 葉文宣さん。林さんは今回初めてお会いしました。今回は皆さんを蕎麦「道心」にお連れして日本蕎麦をたっぷり食べて頂きました。また皆さんお酒はしっかりいける口ですので、そば焼酎の蕎麦湯割りでこの笑顔!。

葉さんと劉さんが我が家に来るようになって随分と経ちますが、お話を聞いていると、二人ともどんどんと活躍の場を増やして行って、演奏家としてかなりの成長している様子を感じます。だからいい顔しているんですね。

劉リサイタルパンフ12012年の劉さんリサイタルのチラシ
2012年には劉さんが、拙作「Sirocco」をリサイタルで取り上げてくれました。私の作品が海外で演奏されるというのは実に嬉しい出来事でした。豪華なパンフレットに紹介を頂いたんですが、自慢して見せて回ったのを覚えています。
そして来年、劉さんと林さんのデュオの演奏会(台湾)で、またまた私の「塔里木旋回舞曲」を演奏してくれるんです。面白くなってきました。本当に嬉しいです。

何時も彼女たちは本当に元気いっぱいで、日本滞在の間は能や歌舞伎などをたっぷりと楽しんで行きます。今回、葉さんは蜷川舞台の「ハムレット」も観たそうで、その他にも六本木歌舞伎や国立能楽堂での演能を観てきたようです。現代の日本人よりもよっぽど日本文化に触れているので、毎回お酒を呑みながら能や歌舞伎は勿論、仏教や色んなジャンルの音楽の話など、とにかく尽きないのです。現代の日本人は伝統文化にほとんど触れずに生活しているので、かえって彼女たちの方が日本人より話が弾みますね。葉さんと劉さんは台湾での勘三郎ファンクラブの代表もやっていた位ですので、その知識や薀蓄は私ではとてもかないません。

           劉プロフ1葉文宣

彼女たちはソロや合奏団で活躍しているプロ中のプロ。葉さんは国家国楽団に所属していて、ソリストとしても活躍、オケをバックに協奏曲等バリバリ弾いてます。劉さんは琴園国楽団に所属していて、昨年はドイツ、スイス、中国を回って好評を博して来たようです。ソロ活動も活発で、定期的にリサイタルを開いて、その中で私の作品を取り上げてくれたのです。彼女たちのDVDやCDを今までいくつか聴かせて頂いて来ましたが、とにかく凄いレベなんです。これだけのレベルを先ずは持っているというのが素晴しいですね。音楽性も勿論ですが、民族音楽ではなく、芸術音楽として表現活動をしてゆくには、何よりも高い技術と音楽性が先ずはなくては!それがあってこそ世界に出て行けるというものです。

P2069455先日とある先輩が「私はいわば琵琶のお付きの者です。聴衆は琵琶を聴きに来るのであって、私を聴きに来る訳ではないですからね・・・」なんて情けないことを言っていましたが、正にこれが今の琵琶の現状です。こんな意識や視野しか持っていない人が琵琶の先生とは何ともね・・・。今やあらゆる音楽がネット配信され、世界の人が聴いてくれる時代にあって、この志の低さ、視野の狭さはは・・・・。私が流派や協会に居られないのは当然ですね。
「珍しいもの」という所で甘んじていては、お稽古事の意識しかないようでは、音楽は生まれて来ません。創造して行く力が無くなったら、明清楽のように消滅してしまうのです。要は何を思いどこを見ているか。器が大きく、実力も兼ね備えた琵琶人が出てきて欲しいですね。

今から15年~20年程前でしょうか、私が琵琶で活動を始めた頃、某雑誌の編集長に「琵琶で呼ばれている内は駄目だ。塩高で呼ばれるようになりなさい」と言われたのを覚えていますが、音楽は時代と共に在ってこそ、社会の中に存在価値が出て来ます。形は常に時代と共に変わってしかるべき。受け継ぐべきは精神や感性、志ではないでしょうか。時代に合った形で心を受け継いで行かなければ、次代に伝えることは出来ません。今、邦楽や琵琶はそれを実践できているのでしょうか・・・・・?。もっと時代と呼応するような作品や演奏家が出て来るべきだと思います。志のある方、是非頑張りましょう!!。

2015-2-12道心s陽気な蕎麦道心の御主人と一緒に

良き友達と共に在る事の幸せを感じた一日でした。
今年も沢山作品を作りますよ。乞うご期待!

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