過ぎゆく日々2015年冬

この所演奏会が続き、ちょっとへたり気味。今日はゆっくりとお休みさせて頂きました。
先日の戯曲公演「良寛」が終わってからは、八王子法人会のイベントでの演奏、近江楽堂での日本書紀歌謡、そして昨日のみなとみらいAUDIショウルームでのICJCイベントとやってきました。

八王子の方は、大変豪華な料亭 鶯啼庵での演奏だったのですが、普段話をする機会の無い、色々な業種の社長さん達と話が弾み、良い御縁を頂きました。琵琶と笛ではちょっと渋かったかな??会場はこんな感じでした。

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日本書紀歌謡の方は、和歌山、金沢に続くプロジェクトとして東京での初お目見えでした。まだまだ内容には至らぬ点が多く、このプロジェクトの趣旨や方向性などが、どうにも伝わらない所を感じましたので問題山積!。これからはかなりのテコ入れが必要と感じました。伝える所をもっともっと明確にして行く事が求められると思います。反省しきり。

2015-1-30日本書紀 (1)
共演のお二人 久保順さん、田中黎山君

そしてICJCイベントの方は、先日私の家でリハーサルしたユウジ君と、三味線のボビー君と私での演奏でしたが、二人の若手の新鮮な魅力でお客様も結構集まってくれました。写真が無いのが残念。特にユウジ君はピアニストでもあるので、大変音感が鋭く、テーマと構成だけを決めて半即興をした「ファンタジア」はなかなかスリリングでいい感じでした。お天気にも恵まれ、海がすぐ傍という事もあって、さわやかな風に包まれ気持ち良かったです。

10郡司敦作品個展にて
今年は年明けに色々と声をかけて頂いて、ありがたい限りです。それに年々自分がやりたいと思える仕事が多くなってきた事も嬉しいですね。特に手妻の仕事にしてもそうなのですが、だんだん器楽としての琵琶を求められて来たのは、実に我が意を得たり!という感じです。これからは器楽としての琵琶楽をぜひとも確立して行きたい。その為には作曲です。もっともっと多くの曲を作らなければ聴いてもらえない。樂琵琶の方はかなりの数を作曲しましたので、今年は薩摩琵琶の器楽曲に力を入れます。

雅楽は器楽として残ってきましたが、邦楽では筝以外の弦楽器は皆歌の伴奏として続いて来ました。okumura photo6この歴史は確かに大事にしたいのですが、歌の伴奏だけでは琵琶の音色は現代に響かない。時代と共に変化して行く力が無いものは滅んで行くだけです。それでなくとも他の歌ものに比べ薩摩琵琶の「節」はヴァリエーションが少なく、どの曲も似たようにしか聞こえない。また薩摩琵琶の近代ものの歌詞は聞き取る以前に、その歌詞の感性がもう現代人には理解出来ないものも多い。昭和の演歌ですら、「昭和枯れすすき」や都はるみの「北の宿」の世界はもう若者には通用しないのです。平家等の古典文学はまた別の味わいがあると思いますが、軍記物戦記物はじめ、「忠義の心」等と歌われても反応しようが無いのは当たり前。日本の良き精神、文化を伝えるには、現代の形にして表現しない限り伝わらないのです。

とにもかくにも、現代という時代を見据え、旺盛なまでに創作をして行かないとリスナーはどんどん離れてしまうと思うのは私だけではないでしょう。どの分野でも同じことが言えるのではないでしょうか。ましてや音楽は時代を先取りするようでなくては!永田錦心のように!!!
歌ものでも器楽でも、もっともっと琵琶に徹して曲創りをして行かなければ、琵琶が主役の曲を作らなければ、琵琶の音色は世間に響かない。従来のものをなぞってお得意になっているのはお稽古事のレベル。ここに留まっていたら明日は無いのです。琵琶のこの妙なる音色をぜひとも多くの人に届けたいのです。

さて、今週は何と言ってもREFLECTIONSのCD発売記念演奏会。近江楽堂にて2月6日の7時からです。是非是非お越しくださいませ。

今年も良いペースに乗ってきました。

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