灯は消えず

年内の仕事は、先日のグリーンテイルライブと青山小学校での「子供邦楽体験隊」で終りました。

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この小学校での催しは、時々御一緒する筝の高市雅風さんが主宰している団体「ここふた」がやっているのですが、子供は素直に反応するのが良いですね。下手に知識を持ってしまった大人より、よっぽど音に敏感です。琵琶のような特殊な楽器は、ちょっとばかし弾けたりすると、周りから専門家のように扱われ、本人もその気になりがちですが、こうして無垢な子供たちに触れると、我が身がよく見えて、引き締まります。

華厳経では、一滴の中に世界があり、世界はまた一滴であるといいます。後の禅につながる思想だそうですが、この一滴にも命の灯を感じるようでありたいですね。私の周りでも、パワフルに動き回る人もいれば、ゆっくりとかすかな灯を静かに保っている人もいます。小さなものでも、地味なものでも、命の灯がある限り、その中ではその人なりに燃え、輝いていると思います。
以前は派手に燃やす事が生きる証とばかりに走り続けていましたが、静かに穏やかに命の灯を保ち、生きる人々も沢山居るという事をこの年になって知りました。私などは、もう死に向かって生きているとも言える年齢になってきましたが、自らの灯を静かに保ち、はかなくなりつつある命を感じながら、残された時間をよりよく生きようとする事も、一つの生き方なのかもしれません。

親鸞
以前このブログで書いた田端明先生は親鸞の歎異抄を読んで、
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