Oh-saka Burning 2012

話は前後しますが、滋賀に行く前に大阪のコモンカフェでライブをやってきました。

私はいわゆるライブという感じのものは、もうほとんどやっていなくて、ライブハウスでの演奏は大阪のこのコモンカフェでやる位でしょうか。今回は笛の大浦さんとのライブでした。
この日大阪は梅雨入り。もう絹糸の弦は思いっきり湿気を吸って、チューニングがぐにゃぐにゃの状態でした。演奏中もお構いなしに音程が崩れ、これほどに悩まされた演奏会は初めてでした。

     DSCF2566-sライブをいつもブッキングしてくれる中沢さん

楽琵琶をこの時期に持って出るツアーも初めてでしたが、いつもの大雑把な調子でタカをくくっていたら、ばっちりと琵琶からしっぺ返しをされてしまいました。「もっと楽器に、演奏に、音楽に謙虚になりなさい!」と叱られているようで、大いに反省。
この反省があったればこそ、次の滋賀の公演は天気にも恵まればっちりだったのですが、何かを教えられているという感じがしてなりませんでした。

大阪ではもはや定番となった、焼酎バー純でふた晩続けて、語り部の竹崎利信さんと飲み明かし、お清めして来ました。
ここのマスターはジャズギターをやっている方なので、話が面白い。私とマスター以外はきっと訳判らないと思いますが、そんなオタク話にも付き合っていただいて、嬉しい限りです。

大阪は私にとって、いつ行っても暖かく迎え入れてくれる街です。毎回行く度にカメラマンの赤坂友昭さんと会って話をして、海月文庫でおしゃべりして、麓鳴館でコーヒー飲んで・・・大阪の多くの友人たちは皆優しく、面倒見の良い人ばかり。ついつい甘えてしまうそうな位皆情が厚い。東京のように殺伐として、笑顔の裏でべろ出しているような街とは違う。
実は次の日に心斎端で通り魔事件があったのですが、あの情に溢れた街での惨劇にがっくりと来てしまいました。私は前の日ちょうどあの辺りに居たのです。

私が琵琶奏者として活動を始めたのが大阪でした。小さいギャラリーやアートサロンを片っ端から周り、演奏し、自分の活動基盤を作りました。ソロの演奏はもちろんですが、笛の阿部慶子さんとも、かなりの演奏会をやりました。しかしどこでやっても皆温かく迎え入れてくれて、今でもお付き合いのある方が沢山居るのです。

          DSCF2553-s

もう10年以上大阪に通い、ちょっと慣れてきた時に、しっかりと琵琶からおしかりを受け、あの惨劇で街の怖さも知り、「初心に戻れ」と言われているようにも感じました。

この所、いつも私の身に起こる全ての物事が、何かを私に語りかけているような気がしてならないのです。音楽はもちろん、日々の出来事も、出会いも、全ての事が私に何かしらのメッセージを与えているように思うのです。

今、正に変わり目に立つ私に、大阪の街はまた多くの事を教えてくれました。


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