
誰しも相棒と呼びたくなる仲間は居ると思いますが、私もいろいろな相棒に恵まれています。仲間というよりも相棒といった方が似合う、色々な分野の方々が居ることが私の財産かな。最近は特にそう思います。
そんな相棒達と話をしていて面白いのは、実際に言葉を交わしていると、自分の事が自分で見えてくることです。相手も同じみたいです。とにかく御飯食べながら、お茶しながら、実際に話をして言葉を交わすことが、とっても大事なんです。
不思議ですね。面と向かっておしゃべりすることで自分の考えがまとまってくるのです。一人で考えているだけでは見えないものが見えてくる。何故かメールのやり取りだけではだめなんです。やはり言霊ではないですが、口に出すという事には何か力があるのでしょうか。
私は春にはほとんど仕事しないので、こういう相棒達とおしゃべりの時間に費やしています。まあ遊んでいると言われればそれまでなのですが、この遊びこそが多くの作品を私にもたらすのです。
昨日、メンテナンスに出していた琵琶が戻ってきました。琵琶は正に私の相棒。残念ながら言葉は話せませんが、音で答えてくれる。だから常にベストな状態に調整してあげています。私は大概のメンテを自分でやるタイプで、サワリはもちろん、膠を溶いたり、駒の下に板を足したり、駒そのものを作ったり、糸口をのこぎりでばっさりと切り落として改造したり、糸巻きも自作したり・・・ほとんど木工職人の如くやってしまうのですが、大体2年に一度位、琵琶を作ってくれた石田克佳さんに全体の調子を見てもらってます。
お帰り
いつも居る相棒がいない状態というのはどうも落ち着かないですね。戻ってきてやっとホットしました。

私はありがたいことに色んな相棒に恵まれていて、本当に嬉しい限りですが、彼らと話をしていて最近特に思うのは、もっと自分らしくなるべきという事。これまで日本文化そのものはもちろん、琵琶や邦楽・雅楽というところに強いこだわりを持ってきましたが、実際の私という人間は、大人になるまで洋楽で育って来ている。これからはもっと素直にそういう部分を出していこうと思います。現代そして次世代という未来を考えれば、そこの部分で素直になれなくては、何も生み出せない気がしています。
昨年出したCD「風の軌跡」は良い転機でした。自分の原点に帰る事が出来、そして相棒との語らいが、更に私の私らしい部分を再認識させてくれました。
これからが面白くなりそう。持つべきものは相棒ですね。