舞台こそ人生2011

初台オペラシティーの中にある近江楽堂にて、第4回の創心会をやってきました。この日はとびきり寒い日で、お客さんが来るかどうか心配しましたが、大勢の方にお越し頂き、大変充実した会となりました。今回はあまり写真を撮る暇がなかったのですが、来場のお客様が最期に何枚か撮ってくれましたのでUPします。   

終演のご挨拶の時
            ソロ

吉田絵美子サポートでナレーションをやって頂いた
吉田絵美子さん

演奏会は本当に色々な方のお力がないと運営できません。今回は呉服の砧やさんが応援に駆けつけてくれて本当に助かりました。
演奏すること、舞台に立つことは私にとっての何よりの幸せ。その幸せを多くの人が支えてくれていると思うと、自然に私も若手演奏家や芸術家の応援団になりたいと思えてきます。

杉並公会堂
今月は13日に杉並公会堂大ホールにて、H.J.ロッチェ氏指揮のオーケストラとご一緒させて頂きます。郡司敦君渾身の新作の初演、私の「朝の雨」「まろばし」も演奏させて頂きます。クラシックの大舞台で自分の作品を演奏できるというのも、大きな幸せです。

ここ数年、本当に良い環境で演奏会を開くことが出来、嬉しい限りですが、何よりも内容が伴ってこそ実現するというもの。琵琶は弾き語り作品ばかりしかないので、どんどん新作を作り、琵琶会、邦楽会だけでなくAWAYの大舞台で活動の場を得ていきたいと思います。

来年からは特に楽琵琶の作品を作曲して行きたいと思っています。もちろん薩摩琵琶の方も色々と構想があるのですが、琵琶の世界をもっともっと広げて、魅力を伝えるためにも、琵琶=弾き語りという定型を払拭して行きたい。今回演奏した作品「朝の雨」のように箏・尺八伴奏の琵琶歌もありなのです。そして何よりも琵琶の妙なる音色をもっと聞いてもらいたい!!のです。

楽琵琶・平家琵琶は歴史も資料も色々と残っているのですが、薩摩や筑前の琵琶は未だ古典といえる迄の歴史はありません。薩摩は18世紀からあるものですが、音楽的な洗練が始まったのは明治以降。薩摩の中でやられていた薩摩琵琶も勿論民俗芸能として素晴らしいものがありますが、明治期に永田錦心によって芸術音楽へと発展洗練して行ったのです。楽琵琶から続く千数百年年の歴史の中で、初めて流派として成立した錦心流が100年を経てやっと古典の仲間入りをし、薩摩琵琶がこれから歴史を刻んで行く時代に入ったと思います。
平安時代以降、色々な変遷が有り、雅楽・平家など古典として残っているからこそ、それらの先にある現代の琵琶奏者として私がやっていけるのです。だから日本の琵琶楽の歴史認識は、次世代の琵琶楽を作る上でも、ぜひしかしっかり持っていたいです。
近代薩摩琵琶は、永田錦心からはじまり、水藤錦城、鶴田錦史という現代琵琶楽を作り上げた先輩方が、最先端のものを次世代へ示したように、私もまた現代そして次世代へと繋げるような琵琶楽をつくりあげてゆきたいと思います。

多くの方のサポートを得て、先人達の遺したものを勉強し、こうして舞台に立つことが、何よりも私に活力と幸福を与えてくれるのです。

       富士山

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