今週末は、薩摩琵琶、樂琵琶それぞれの演奏会があります。私の中では違和感なく二つの世界を行き来しているのですが、これはやはり私の琵琶に対するスタンスが独特なのかも知れません。
邦楽や雅楽では、稽古を通して師の技や精神を徹底的に学ぶのが、そのやり方。先輩のTさんは、「師匠の演奏したものは、ほとんど記憶している」と言っていましたが、彼の琵琶に対する熱い想いと純粋な姿勢を見ていると、確かにそうだろうと納得するものがあります。
そうした先輩方々の話を聞いていると、つくづく私は邦楽家ではない。少なくとも私は旧来の邦楽人ではない。やっぱりジャズの人というのが、私の私に対する感想です。
私が以前よく聞いていたパットメセニーという人は、オーネットコールマンなどのジャズジャイアンツの音楽を聴いて自分で学び、それを消化して、自分の音楽として再構築して発表していました。レベルはともかく私も同じなのです。
マイルスでもドビュッシーでも永田錦心でも鶴田錦史でも、皆私なりに分析し、消化して、再構築して、私の音楽として新たな作品を作っている。悪くいえば、良いとこ取り。
私にとっては、聞いてきたもの全てが師匠でもありますが、私は誰かに就いて骨の髄まで学ぶと言う事をしてこなかった。だから邦楽家のようにどこまでも師匠の芸を追って行く先輩達には、本当に頭が下がります。そうした先輩達は一身不乱に脇目もそらず精進している。凄いことです。
私の受け継いでいるものは、形・型というものではないようです。
今週の金曜日は近江楽堂で薩摩琵琶を
土曜日には、カフェグリーンテイルで樂琵琶を弾いてきます。
ぜひ聴いて下さい。