ただいま、6枚目となるCDを作っています。
私は舞台に出て演奏したり、レコーディングしたり、作曲したりすることは、面白くてしょうがないですが、自分の録音したものを聞いて編集したりすることは、本当に苦手なんです。まあそれは地獄の攻め苦と言ってもいいくらいで、こればっかりは毎回の大ストレスです。
これがただ今作っている作品。9月末の発売です。デザインに関しては、有能なデザイナーに恵まれたので、ストレスは無いのですが、セルフプロデュース故、自分の録音したものを、何度も何度も聞いてテイクを選別し、時に細かな編集もしなければならない。エンジニアさんも大変だろうが、自分の弾いたものを粗探しするのは、かなりつらいものがあります。
録音した作品をどのように配し、全体を構成して行くべきか。エコーをかけるべきか、生音で行くべきか、イコライザーをかけるべきか、毎度毎度色々と悩むわけです。今回も、曲そのものをカットすすることを、決断しなければならなかった・・・。
もちろんコンセプトはしっかり持って録音に望むのですが、アルバム全体を作り上げて行く段階で、やればやるほど様々な要因が「生まれいずる」のです。
自分は何をすべきなのか、自分とは何者だ、自分の存在理由は何なのだ・・・。有島武郎とまで行かなくても、多くの事を自分に問いかける。それが私にとって、CD制作というものです。ほんま修行ですわ。
こちらは今回の宣伝用フライヤー。写真は昨年の京都での演奏会の時のものです。今回は楽琵琶のCDですので、こんな楽人装束の写真を採用しました。雅楽をやる時は、こういう堅い衣装も良いのですが、普段はReflectionsのオリジナル作品をやる時がほとんどですので、何か衣装もオリジナルで作りたいと思ってます。一寸シルクロードを感じさせるような雰囲気で・・・。良いアイデアある方はぜひ教えて下さい。
人間どんなことでもそうなのですが、どこを目指しているか、何を考えているか、そこで全く出てくるものが変わっていきます。同じ技術でも平和利用するか、軍事利用するかで、結果が正反対になるように、音楽でも一番大事なのは、何を感じ、何を想って、何を考えているか。そこに尽きるのです。悟りの窓の前に座って、何を想うのか。それで、その人の音楽は決まるといっても過言ではないのです。
しかしそんな事はすっかり忘れてしまって、上手に弾くことや、真面目にお稽古して、流派の優等生や大物になる事に夢中になってしまう。これは音楽とはまた別次元の問題なのですが、それが優先してしまう例が多いですね。
そして、そういった本人にしかない感性を作り上げるのは、自分の故郷の記憶だったり、色々な人との出会いだったり、多くの芸術に触れて得られる感動だったりする訳です。私は毎日富士山を見て育ちました。川も海も近くにあり、雪の全く降らない所で育った事が、私という音楽家を作り上げる重要な要素 なのです。
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