ロックな二人~グリーンテイルライブ!!

先日、尺八の岩田卓也君と練馬のグリーンテイルでライブをやってきました。

2011-5-5グリーンテイルでは、毎年5月と12月にライブをやるのですが、毎回これは!と思う人に声をかけてやることにしています。今回は今、いきの良さでは一番とんがっている尺八の岩田卓也君と久しぶりに演奏しました。

彼のエネルギッシュな演奏は、他の若手尺八奏者にはない超絶なもので、私も彼のぶっ飛びぶりは結構気に入ってます。
いつも毎回必ずやる「まろばし」という私の曲は、色々な解釈と演奏が自由に出来るように作曲されているので、組む相手によって、様々な色に変化していきます。今回のこの組み合わせは、やはり「ロック」というしかないですね。

2011-5-1
いつも聞きに来てくれる、美希ちゃんとチャコットママさんからも「ロックな琵琶」とお褒めの言葉(?)を頂きました。美希ちゃんは生まれた時から、私の演奏会に連れて来られているので、すっかり琵琶の音がしみこんでいるのか、私のソロ曲「風の宴」では、崩れという激しいリズムで弾く所で、手拍子してセッションしてくれました。

このグリーンテイルは、マスターとママの御夫妻がやっている素敵な喫茶店です。地元の色々な美術・音楽のアーティストが集い、色んな作品も展示されていて、自然とアーティスト同士の交流も始まってゆく場となっているのです。私も自分のライブというより、毎回色々な演奏家を連れてきて、好きなように交流してます。

2011-5-4最近は若者世代もだんだん来てくれるようになりました。彼らはベースとギターを夫々勉強中の音楽学校の学生さんです。今回は打ち上げでも大いに盛り上がりました。

もう6年間に渡ってここでライブをやっていますが、つまらなかったとか、失敗したということが無いのです。いつも色んな出会いがあったり、交流があったりして、面白い展開になってゆくのです。
場があって、音楽があって、聞いてくれるお客様がいて、仲間が集うというのは素晴らしい事です。こういう機会を与えてくれるマスターとママには本当に感謝しかないですね。これこそが本当のプロデュースというものではないでしょうか。

私は10年前から言い続けているのですが、今邦楽界で一番求められているのはプロデューサーだと思います。
素敵な音楽があって、志の高い若者がいる。しかし、若者には「場が無い」、「頭の固い先輩やら先生に阻まれて自由に動けない」、「お金が無い」のです。だったら、旧邦楽人と新音楽人の間に入り、「話をつけ」、「場を作り」、「広報してお客様を集めて」、現代の邦楽演奏会を作る、そういう仕事をするプロデューサーが今こそ活躍するべきなのです。
でも、これがなかなか難しい。そう簡単にはプロデューサーも収入にはならないからです。気持ちだけで自腹で応援してたのでは、続かない。だからプロフェッショナルが必要なのです。私も出来る限りの事はやっているつもりですが、自分も演奏するので、中々細かい所には手が回らない。やっぱり専門のプロデューサーが必要です。

邦楽界にもプロデューサーという肩書きの人は色々居ますが、音楽家をサポートしているのか、自分のキャリアを積もうとしているのか判らない人も多いのです。私も以前、海外公演の話を持ちかけられ、蓋を開けてみたら、「全て自腹で行け」という事を言われた事があります。理由は「私達はNPO法人なので、利益を挙げる活動が出来ないので云々・・・」ということでしたが、そこのHPには自分達がいかに世界的に活動を展開しているかが、山のように宣伝されていました。

そして、技術も志も持った若者は、それゆえに時々自分の行くべき方向が判らなくなるものです。そんな才能溢れる彼らを良い方向に導いて、次世代の一流にしてあげるような、本気で音楽家を育てようとするそんな方、ぜひぜひ立ち上がって下さい。

おまけ
2011-5-6

岩田君平家琵琶を弾くの図。結構いい感じです。

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