ツアーから戻ってもライブ三昧の日々ですが、先日は久しぶりにブリブリのロックの箱でやってきました。場所は新宿のURGA。普段邦楽や雅楽をやっている耳には、強烈なディストーションの聞いたギターサウンドが振動となって体に轟いてきます。エレベも凄いサスティンで、胃があちこち動くのが判ります。あの感覚を久しぶりに味わいました。
これは私の若かりし姿ですが、気分はもうこんな感じ。
幸いピックアップを貼り付けたマイ琵琶もガンガンと鳴ってくれて、大沼アニキのDsとハリヤカズオさんのギターサウンドにも負けず張り合ってきました。
それにしてもこの写真若いですね~。私の原点です。
その直ぐ後には松庵会という催しで、「城山」「祇園精舎」を唸って来ました。まあ薩摩琵琶の叫ぶような語りはロックのようなものですし、私の演奏は何時もロックギターのようだ、といわれていますので、本人の中ではさして違和感がないのですが、和服や直垂姿を普段見ている方には、かなりのギャップがありますね。
私の使っている塩高スペシャル琵琶は、エドワードヴァンへイレンのあのうなる低音を琵琶で再現すべく、琵琶職人の石田克佳さんの手によって誕生したので、レスポールを弾いても、琵琶を弾いても、私には同じ感覚なんです。
高野山に関わってから、お大師さんの懐の深い感覚がとっても気に入っているのですが、色々なものが共存・共生しているのが世の中というもの。もちろん個人という存在もまた同じ多様な面を持っているわけです。あまり固定したイメージを作りすぎると窮屈になってしまいます。
この週末は暫しの休息を頂いていていますが、来週は恒例の琵琶樂人倶楽部「女流琵琶楽Ⅲ」があります。正派・錦心流・筑前の女流名手が集います。注目ですよ。そして週末には西荻窪のギャラリー蒼で2デイズライブが待っているのです。
2日目は尺八の田中黎山君がゲストに入ってくれます。まだ若干席がありますので、ぜひお越しくださいませ。
場所 ギャラリー蒼(西荻窪駅徒歩10分)
時間 20日 18時30分開演
21日 14時00分開演
料金 3300円(前売り)3500円(当日)
曲
20日 祇園精舎 慕仙詩~性霊集より 秘曲啄木(楽琵琶) 壇ノ浦
21日 まろばし~尺八と琵琶のための 平敦盛 風の宴
お問い合わせ・御予約 ギャラリー蒼 03-3331-3681
水は入れる器によって形を変えますが、どんな形になっても水は水。質は何も変わりません。人間も色々な姿を持っているようで、実はその内面はどれもが同じなのかもしれません。一つの存在が色々な形になって立ち現れているだけなのかもしれませんね。我々は目に見えるイメージに心を奪われてしまっているだけなのかもしれません。
ぜひ本質を貫く琵琶の音をお聞きくださいな。