横浜7arts cafeでのライブは、お陰様で良い感じで演奏する事が出来ました。お越しいただいた皆さんには感謝しかないですね。特に7arts cafeでは初ライブという事で、ゲストにメゾソプラノの保多由子先生、笛の大浦典子さんを迎え、結構バリエーションのあるプログラムで挑んだのですが、それが功を奏しました。オーナーのDr.ジョセフ・アマトさんは私の樂琵琶の演奏を聴くのが初めてだったのですが、とても気に入ってくれたようで良かったです。またこの日はAsaxのSOON・ Kimさんや、歌人でプロデューサーの立花美和さんも駆けつけてくれましたので、アマトさんを囲んでいい感じに繋がりました。キムさんのライブも6月辺りにやる事になったそうです。
私の方は7月24日に第二回目のライブをやります。今度はVnの田澤明子先生をゲストにして、現代曲と弾き語りという形でお送りしす。是非お越しくださいませ。
私の今後のスケジュールは、今週末から新潟に行き、GWは文弥人形猿八座との共演をしてきます。残念ながら会場が小さく、もう席の方は満席だそうですが、猿八座とは来年東京での公演も予定しています。帰って来てからは、第173回目の琵琶樂人倶楽部がすぐあります。昨年に続き、筑前琵琶の石橋旭姫さんをゲストに迎えての聴き比べの会です。石橋さんにはオリジナル曲、それもラブソングを注文していますので、期待も膨らみます。
さて演奏会の報告はこの位にして、今日は最近よく思っている芸についてのお話を少しばかり。「芸」シリーズは数年に一度くらいの割合で書いているのですが、最近は特に色々と感じる事が多いので、ちょっと書いてみます。
私は割と演芸と呼ばれる舞台芸が好きで、7,8年前は、江戸手妻の藤山新太先生とよくお仕事させてもらいました。私にはエンターティナーの資質は微塵も無いので、バックで音を入れて、時々お客様にご挨拶をする程度でしたが、琵琶一本でずっと伴奏するのは、なかなかやり甲斐も刺激もある仕事でした。それに舞台の事を色々と教えてもらいました。私は元々マジックが結構好きな方でしたので、こういう仕事は楽しかったですね。特に新太郎師匠はしっかりと哲学も持っているし、かなりの博学。多くの勉強をさせて頂きました。師匠と一緒に色んな所に行きましたよ。日本国内はもとより、トリニダードトバゴやキュラソー島まで行きましたからね。国立演芸場なんかにも師匠と出たことがあります。全然普段の私のイメージではないですが、こんな事もしているんです。まあこういう琵琶奏者は他には居ないでしょうね。あの頃は師匠のつながりで、よく芸人さん達と飲んだりしてました。
私が見て来たその道のトッププロたちは、皆さん自分のやるもの以外の事を実によく知っていて、実に様々な視点と知識・経験を持っていらっしゃいました。一緒に居ると本当に話が尽きなくて面白いです。その位でなくては、とても自分が頭に立って舞台を張ってやって行く事は出来ません。オタクような視点の人では、周りに人もついてこないし、オタク以上にはなりません。器がまるで違います。
プロとして活動している訳でもないのにいっちょ前の顔をして、お友達を集めて芸だ何だと言う人が多い中、琵琶でも面白い個性と世界観を持っている人が少しづつ出て来ました。おなじみの尼理愛子さんや、仏教の話を琵琶に載せて歌う安藤けい一さんをはじめとして、最近では独自の世界を琵琶語りで創ろうとしている若者も出て来ました。今後もお稽古事レベルではない琵琶人がどんどん出てくる事と思いますし、期待したいですね。
さて今夜は「いとしのメルルーサ」でも観て楽しみますよ。