祝 琵琶樂人倶楽部開催15年目突入!!

秋も深まってまいりました。コロナの状況も大分緩和して、人も街に溢れてきましたね。先日は京都で演奏会だったのですが、なかなかの盛況でした。

今月で琵琶樂人倶楽部は15年目突入。開催数としては167回となります。毎月コツコツとのんびりやって来ましたが、さすがに14年というと何か節目に来たように感じています。

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琵琶樂人倶楽部は阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンをお借りしてやっているのですが、集客よりも内容優先でライフワークのように毎回やりたい事をやりたいようにやって来ました。そのお陰で随分と色んな経験を積むことが出来、大きな糧となっています。会場はマックス25名ほどで、発足以来ずっと珈琲付き1000円という事でやっていますので、ゲストへのギャラもろくに出せないのですが、本当に沢山の方がゲスト出演してくれまして、その一つ一つが貴重な私の糧となっています。

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10周年記念演奏会にて


発足当時は古澤月心さんと二人で始め、私が企画運営をやっていました。古澤さんは上記の10周年の演奏会を機に引退したのですが、年明けの会にもまた登場してくれるとのことです。
初期の頃の写真があまりないのですが、今月のゲストでもある長年の相方 笛の大浦典子さんや尺八のグンナル・リンデルさん、筝のカーティス・パターソンさんはじめ、1stアルバムで御一緒したチェロの翠川敬基さん、フルートの吉田一夫君等々本当に様々な方が来てくれて、最初から毎回盛り上がりのライブという感じでした。
琵琶樂人倶楽部は古澤さんの提唱する「流派横断の会」というのがポリシーですので、琵琶もあらゆる流派の方々が演奏してくれました。全員をここに載せる事は出来ないのですが、中でも筑前琵琶の鶴山旭祥さん、平野多美恵さんのお二人にはよくお世話になりました。

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薩摩琵琶五絃と樂琵琶は私が担当。薩摩錦心流と平家琵琶は古澤さんが担当していましたので、筑前琵琶、薩摩正派の演奏家や、その他尼理愛子さん、岡崎史弘君、ナカムラユウコさんのようなオリジナルスタイルの方にも随分と登場してもらいました。
また語りと演奏を分けるのは私の念願の形ですので、語り手も、櫛部妙有さん、黒沢組の俳優 伊藤哲哉さん、など凄いベテランが毎年のように来てくれて、ありがたかったです。

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左:櫛部妙有さんと、右:伊藤哲哉さんと photo 新藤義久

そして洋楽器の演奏家ともかなり一緒に演奏しました。CDでも共演してくれたVnの田澤明子先生。地元の知り合いでもあるVnの濱田協子さん、そしてこの所よく御一緒しているフルートの神谷和泉さん。更にはメゾソプラノの保多由子先生等々、邦楽器とのアンサンブルという難しい注文にも皆さん快く引き受けてくれました。

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このほか雅楽アンサンブルでは、笛の大浦典子さんをはじめ、京都の弦楽ふるさとの会のお二人が駆けつけてくれて(2017年)、フルーティストの久保順さんに龍笛をお願いして華やいだアンサンブルも出来ました。

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尺八の藤田晄聖君、琵琶の制作者でもある石田克佳さん、笛の長谷川美鈴さんなど、もう毎年の常連として来ていただいている方も居ますし、昨年末には安田登先生にも登場して頂き、大変な盛り上がりで一年を締めくくれました。

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1photo 新藤義久
毎年8月には私の解説で往年の琵琶名人のSPレコードコンサートも開催しているのですが、それがとても勉強になっています。この琵琶樂人倶楽部は私にとって学びの場でもあるのです。
私が琵琶の活動を始めた25年ほど前は、薩摩琵琶の音楽史、音楽学の部分があまりにもお粗末で、各流派も伝説のようなことを看板にしている状態でしたので、その歴史を先ずはしっかりはっきりさせて、琵琶樂全体を知ってもらいたいという趣旨で始めました。
今でこそ、薦田治子先生などがその分野を大いに開拓していますが、当時は史実も伝説もごちゃ混ぜ状態で、琵琶樂千数百年などと喧伝し、まだ100年程度の歴史しかない薩摩筑前の近代琵琶に、箔やら権威やらを付けようとする輩が沢山居ました。まあそれだけ衰退が激しかったという事ですね。私は活動の最初から縁あって、毎年どこかの大学などでレクチャーする機会に恵まれましたので、そんな根拠も無いいい加減な事はとても言えませんでした。自分でも色々と調べ上げて、これはしっかりと発表して行かないといけないという使命のようなものを活動の最初から感じていました。邦楽では雅楽や能は勿論の事、近世の歌舞伎や近代の浪曲、講談、落語などかなり研究をされて関連の本も沢山出ています。琵琶だけが取り残されている状態なのです。是非音楽学者の方がtにも頑張って頂きたいと思っています。

これから琵琶樂がどうなって行くか、私には判りませんが、とにもかくにも創造性を失っては何事も衰退消滅へと進んでしまいます。その為にも、豊かな魅力を湛えている琵琶樂を是非次世代に継承して行って欲しいと願っています。

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photo 新藤義久

私は只管己の想う所を今後も行くだけです。地味ではありますが、出来るところを確実にやて行きたいと思っています。新たな仲間も増えて来ましたので、まだまだ面白い作品、そして活動が生まれて行きそうです。乞うご期待!!。

それから

琵琶樂人倶楽部のお知らせ専用ブログを開設しました

琵琶樂人倶楽部の来年一年のスケジュールもほぼ決まりましたので、来月には発表したいと思います。是非お気軽にお越しくださいませ。

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