夢の先へ、共に 

何だか急に冬になったような寒さですね。体調は如何でしょうか。 私は相変わらず毎日夢を見ます。私の知り合いには今まで全く夢というものを見た事は無いという人もいます。頭の中というのは不思議なものですね私の夢は毎度荒唐無稽なものが多いのですが、ふと知り合いが出て来たりして毎日実に面白いのです。ストーリーは説明のつかない事が多く登場人物も様々なんですが、年のせいか明け方一度トイレに行くことも増え、眠りも浅くなっているのか、そこから半眠りのような感じで、妄想とも夢ともつかないような夢もよく見ます。こちらはその時々で自分が色々感じている事がそのまま出て来ますね。ネガティブな夢や怖い夢は見ないのですが、こちらもまた自分の潜在的な願望のようなものが感じられて面白いのです

10年程前に行ったカリブ海のキュラソー島 時々夢に出て来ます

現実社会では、たまに夢で見た事がリアルに目の前に現れる事もあります。そして夢で体験した事が自分の想像以上にもっと強力にリアルな現実として展開したりする事があるのです。面白いですね。夢はやはり自分の願望希望も含め深層心理現れなんだろうなと最近は思っています。登場人物も、昔にどこかで会っていた人であることがほとんどですし、荒唐無稽な夢も現実では見えなかった所が夢の中に残っていたのかもしれません。それがまだ整理されていないままに映像になって出てきてしまったんだと考えています。

若き日 グンナル・リンデル(尺八) カーティス・パターソン(筝)、藤舎花帆(鼓)、佐藤紀久子(三味線)各氏とリリースしたアルバム「和」ジャケット

考えてみれば琵琶を始めた頃琵琶を持ってシルクロードを回ったら面白いだろうなという妄想が巡り巡って最終的には現実にコンサートツアーになりました。それも4各国を半月かけて回る大きなツアーとなり、夢をはるかに超えたものとして与えられました。高野山のお寺なんかで何か出来ないかなという想いも、やはり現実になり、5年間に渡って毎年見事な紅葉の時期に開催することが出来ました。アルバムもただ勢いで出してきましたが、1stアルバムを出す時に持っていたイメージが、20数年経って、更にパワーアップしてより10thアルバムとして明確な形で具現化もしました。この他にも色々夢に見ていたものが現実には更に大きくなって実現したことが、私には結構あるのです。日々に於いても、小さな極々個人的願望が、その先を感じさせるようなものとして成就したりする事も時としてあるのですが、それらに共通する事は、その夢の実現は、自分一人ではなく、必ずパートナーが居るという事です。

アゼルヴァイジャン・バクーの国立音楽院 ガラ・ガラエフホールでのレクチャーにて

私の30代40代はあくまで自分だけの願望であり、一人称の想いでした。自分の音楽だけを只管見つめていました。そんな状態の私でしたが、今になって振り返ってみればいつも誰かがいつも傍に居たのです。シルクロードも一人で行ったわけではありませんし、高野山の企画も一緒になってやってくれた仲間が居ました。作曲では共演者の魅力を如何に引き立てるかと考えて来ましたが、やればやる程にパートナーが居るから楽曲が出来上がり、演奏会が成立したのです。誰かが一緒に居たからこそ、その夢の先まで行けるという想いが、年を経るごとに強くなってきました。今は少しばかり琵琶を若者たちに教えるようになって、自分一人だけの音楽世界という硬い殻が少し柔らかくなってきたようにも思います。まあ未だに○○門下○○流等の一定の枠を作らないように教室の看板は挙げていませんが、自分も教えるという事をやる年になったのだなと感じています。

戯曲公演「良寛」にて 笛の大浦典子さん、俳優の伊藤哲哉さんと 於:座高円寺

夢の先に行くには、パートナーが必要なのです。一人が見ている夢ではなく、良きパートナーが傍に居たら、一緒になって夢のその先へと導かれるような気がします。来年はちょと活動も今迄とは違う方向へと向けようと思います。きっとまた新たな世界が開くような気がしています。楽しみです。

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