先日配信のライブをやって来ました。ジャズのライブハウスからの配信でしたが、良い感じで出来ました。3日間(7日まで)は無料でご覧になれます。
この所ずっと譜面ばかりいじっていたので、久しぶりの実演は楽しかったですね。まあ細かいミスは色々とありましたが、自分の今のスタイルは表現できたと思います。ヴァイオリン・尺八とのアンサンブルもいい感じでした。これから配信によるライブや仕事が増えて行くと思いますが、良い形で配信をして行きたいと思っています。また配信が増える分、今後生演奏の魅力が注目されて行くんじゃないか、と秘かに期待せずにはいられませんね。
今後の世の中の動き次第ではありますが、小規模のサロンコンサート等、私に出来るところを色々企画して行きたいと思います。
私は自由に自分のやりたいことをやりたいようにやっています。よく周りからも「やりたいようにやっているね」と言われているのですが、秘訣も何もなく、常に等身大の自分で居ようと心がけているだけです。頂いた仕事でも、少しやってみて合わないと思うものはお断りするし、自分の中も常に見つめて、本当にやりたい事以外のものは徐々に止めて行くようにしています。
音楽活動を、「仕事をもらう」という感覚でいると、どうしてもその仕事を得るために動いてしまいますが、そうではなくて、自分で動いて、自分で曲を創り、演奏会を企画して、自分で自分の舞台を創るという気持ちで普段から考えて、細々とでも生きて行けるだけのお金も得られるように計画して動けば、やりたいことを何とか貫けるし、つまらない雑音も入ってこないものです。確かに簡単なことではないかもしれませんが、自分のやりたいことをやるには、ただ好きな音楽をやっているだけでは、せっかくの曲も舞台で響きませんね。
私は、自分自身が常に自由で居るという事がとても大切だと思っています。音楽をやるのに規制は何もありません。常にフリーな状態に居ることが何よりも大切だと思うのですが、如何でしょう。
どこにも所属せず地道にやっていると、私の事を一匹狼の様に思う方もいるようですが、10代の頃から、森の中で自給自足で暮らしたい、なんて願望がずっと根強くある人間ですので、一人で居るのが元々好きなんです。また作曲の師である石井紘美先生の「実現可能な曲を書きなさい」という教えがいつも根底にあるせいか、大きな編成よりもソロや小さな編成の方をいつも選びますので、派手な大舞台より、こじんまりとしたサロンコンサートなどの方がしっくり来ます。そんな思考ですので、自分のペースで淡々とやっていられるのです。
幸い上記ライブの様に素晴らしい仲間は沢山居るし、これからやろうと思っている構想も色々とあって、当分私の音楽活動は尽きる事はないですね。
また自分が精神的にも社会的にも自由な存在で居るというのは、「風の時代」のキーワードのように思っています。
音楽家の中には、自分の音楽をやる事より、「ビックになる」「大きく稼ぐ」「偉くなる」という想いの強い人も多いですが、私には、こういう感性自体が、これからの時代にそぐわないと思えて仕方ありません。何かの枠の中で自分の存在を考えてしまうと、どうしても「何某かの自分」という発想が出て来ますが、風には国境も組織もお金も、何も関係ないですからね。
ジョンレノンではないですが、もう国境も無くなりつつある時代なのかもしれません。世界では未だに領土を争って戦争も起こっていますが、あまりに旧時代的だと私は思います。国際情勢は一口には語れません。しかし古い価値観を手放すことが出来る人(国)だけが、自由に羽ばたいて行ける、と私は感じています。先日の日本IOCの発言等も、もう時代に対応出来ない旧体質の解りやすい例ではないでしょうか。国境、人種、年齢、ジェンダー等、今迄特に疑いもしなかったものの本質や問題が、このコロナ禍によってどんどん炙り出されています。この動きがどんな方向に行くか、私如きでは判断できませんが、日本人が大好きな「常識」や「普通」という概念はこれからどんどんと崩れて行くのは間違いないと思っています。勿論それに伴って様々な事も起こるでしょう。しかしその変化の動きは止められない。
以前チャップリンは映画の中で「一人殺せば殺人者、百人殺せば英雄だ」という名セリフを残してくれましたが、人間は人間の作った法律やルール、雰囲気に簡単に囚われてしまうものです。アンティゴネーを例に出すまでもなく、人間の作ったルール程危ういものはありません。
人の運命は他人には判りませんが、自分の行くべきところを求める事こそ、自分に与えられた運命ではないでしょうか。皆様々な事情を抱え生きているので、何事もすんなりとはいきませんが、やりたい事をやらない、やれないのは運命ではなく「諦め」でしかないと私は思います。大したことが出来なくとも、自分なりにやってみる方がやっぱりいいですね。何か成果や成功を求めようとする気持ちこそ、囚われのような気がします。
この空の下、少なくとも私は私であり続けたいですね。これからまだ大変な時期が続くと思いますが、やりたいことをこれからもやって行こうと思います。それが一番の幸せだと、年を追うごとに確信してきました。