成就する想い2025‐Ⅱ

寒暖の差が激しいですね。音楽家は身体が資本、しっかり管理したいと思います。

上野公園


今月はちょっと変わった配信ライブがあります。実は5月に面白いイベントがあるので、その宣伝も兼ねているんですが、出演者が実に良い感じなんですよ。5月の方は久しぶりに秦琴の深草アキさんにもお逢い出来そうですし、今から楽しみなんです。今月の配信はこんな感じの内容です。

全体テーマ:日本の響き
1)石松豊 フェス自体の紹介
2)茂手木潔子 レクチャー(生活と音、日本の古典音楽、現代邦楽、実験音楽、アンビエント)
3)塩高(琵琶)、藤田晄聖(尺八) ライブ
4) Chee Shimizu・井上馨 トーク&DJ(DJが聞く現代邦楽)

DOMMUNE https://www.dommune.com   ここで観て頂けます。4月17日19時配信

このイベントは、ato.archivesというレーベルを運営しながら「MIMINOIMI」というチームで色々とイベントを仕掛けている方からのお声係りでやる事になりました。今回レクチャーをやってくれる茂手木先生とはもう15年来のお付き合いで、私が某芸術系短大で非常勤をやっていた時の学部長先生でした。茂手木先生とはそれ以来何かとお付き合いさせていただいてます。私が平家琵琶を少しやり出したのも、茂手木先生から以下のような演奏会に声を掛けてもらったのがきっかっけです。

今回はDJが語る現代音楽等、中身が面白くなりそうです。このato.archiovesでは音響系、アンビエント、即興音楽等取り上げているんですが、5月の方のイベントにも嶺川貴子さんや川口貴大さんなど今活躍しているサウンドアーティストも出演されます。伝統邦楽にも視野を広げていて、主軸がはっきりとしているレーベルです。今回は4月17日の配信になる予定ですので是非観てやってください。


若き日 京都清流亭にて
私は色んな人に囲まれて生きています。最近特にそう思うようになりました。嬉しい事に皆生き生きと自分の想う道を歩んでいる方ばかり。音楽家として今羽ばたこうとしている若者もいれば、ベテランの音楽家芸術家も居ますが、皆自分のペースで次の作品・活動に向かって動いている人ばかり。こういう環境に居ると、自然と自分も手も足も頭も稼働しますね。
叶わぬことも多い世の中ですが、自分が想う道を生きている事は尊く、そして有難い事であり、この道を進むべく多くの縁に囲まれているからこそ、自分の想う道を生きて行けるのです。自分でただがむしゃらに生きているだけでは、なかなか思う道には進めません。仏教では仏縁などと言いますが、道元禅師も修行している姿こそが仏であると言っています。自分の想う道で修行させてもらっているというのは、縁に導かれているからではないでしょうか。音楽家を長い事やって来ましたが、やればやるほどにそう思いますね。

小さな目の前の願望は限りなく目の前に現れて来ます。食べたいもの、欲しいもの等々、そういった目の前の願望には到達点に至りますが、想いには到達点ではないのです。想いはその人の生き様であり、生活スタイルでもあり果てが無いのです。自分の命が尽きるまで続いて行きます。更には、その想いは何かしらの形で次世代へと受け継がれるようにも思います。

鶴田錦史ノヴェンバー・ステップス初演時の写真

私は永田錦心や鶴田錦史、水藤錦穰という琵琶のパイオニアの各氏には逢ったことはありませんが、私は彼らの想いのどこか一辺を私なりに受け取っているように感じています。自分の想い込みでしかありませんが、最先端の琵琶樂を創りたいという先人の想いを私は感じるのです。私のやろうとしている事は、先人のそれとは形もやり方も違いますが、その想いの核は同じです。それで良いと思っています。どんな時代でも社会は目まぐるしい程に変遷して行くものです。3人の先人達はその激動の世の中と共に在ったからこそ、それぞれの時代の最先端であるオリジナルなスタイルを創り上げたり上げたのではないでしょうか。過去のものを勉強しながらも、決してなぞったり真似たりしなかった。少し前のブログでパットメセニーのインタビューを乗せましたが、ジャンルは違えど、偉大な音楽家は皆それぞれのスタイルを創り上げたのです。

私達の生活が変わって行くように、音楽も形は変わる方が自然です。それは歴史が証明している。それを無理に過去の形にしようとすれば、本質や核を見失い、歪みが出てしまいます。先人が他の誰とも違うスタイルを創り上げたように、私も私だけのオリジナルなスタイルを創り上げる事が、先人へのリスペクトだと思っています。
そして出来ればそれを次の世代に、何かしらを遺せたら嬉しいですね。

今また新たな作曲に取り組んでいまが、いつでも今の先に在る想いの成就に向って行きたいですね。まあのんびりとやってますが。

© 2025 Shiotaka Kazuyuki Official site – Office Orientaleyes – All Rights Reserved.