GWとなりましたが、緊急事態宣言も延長される見通しで、先が見えないですね。このまま延長されると、停滞するデメリットがそろそろ目立ってくるような気がしてなりません。ウイルスは勿論ですが、もっと目を大きくして全体を見ないと危うくなりそうで、大変心配しています。自分の五感全てを使ってしっかりと世の中を見て、真実を見極めていかないと、雰囲気に流され、惑わされて、振り回されて、すり減ってしまいまいそうです。

新緑の太田黒公園茶室脇
今は、作曲に専念する時期と決めて日々を過ごしています。器楽としての琵琶樂に、これまで以上に特化して行けるように、とにかくレパートリー全体の更なる充実を目指します。
このところは先月創った「バラード」の手直しと、今創っているフルートとのデュオ作品(タイトル未定)の推敲の真っ最中。途中気分を変えるために、今までやっていた短い曲をちょっと手直ししたりして、良い感じで充実しています。後は独奏曲と、もう一つデュオの作品をこの時期に創り上げたいですね。
こういう時は皆、技の衰えが気になり、いつにも増して練習をしている方も多いと思いますが、芸術家は記録を目指すアスリートではありません。どんな状況にあっても「創り」続けるのが本来の姿。戦争中だろうが、何だろうが、そこから発信して行くものです。これから新たな時代が始まろうとしている今、人々の感性も大きく変わるでしょう。大声でコブシを回して歌うスタイルが今では違和感があるように、今一生懸命維持しようとしている技は、もうこれから通用しなくなるかもしれません。技を追いかけるのではなく、どこまでも音楽を追いかけないと、ただの技を見せるだけの芸人になってしまいます。
常に前衛で在り続けるのが芸術家音楽家の本来のあるべき姿だと、私は思っています。今迄と同じ所を見て、今迄と同じような感じで舞台に立って、また活動を再開する・・・、そんな目線で次の時代が開けるでしょうか。明治の頃、そして昭和の戦後の時代の変わり目に永田錦心や鶴田錦史が活躍したのは、新たな時代の琵琶樂を創り上げたからです。今そこが見える琵琶人が居ることを願ってやみません。
しかしなかなか経験と年齢を重ねていくと、最前線で居るのは難しくなりますね。自分のやり方やペースが出来上がってしまうと、なかなかそこから抜け出せなくなりますし、こんな状況に追い込まれると、ついつい身近な仲間で何か出来ることをやろうとして、何か動画配信でもやると、やったことで満足してしまう。それは一番気を付けないといけない所で、知らず知らずの内に自分を取り巻く世界の中に、自分自身がからめ取られ、閉じこもって、果ては萎んでしまう。創造するには、自分の築き上げてきたものすら破壊し、革新して行くようでなくては、ものは創り出せません。ただ表面の形や姿を変えて活動するだけになってしまいます。

琵琶樂人倶楽部にて photo 新藤義久
本当に厳しいと思いますが、そんな時パートナーが居ると心強いですね。個人的な人生のパートナーから、仕事のパートナーまで様々な付き合いがあると思いますが、気の合うお友達ではなく、それぞれの形に於いて、深い所まで心を開いて話が出来、共に歩み、生きることを分かち合えるパートナー。そんな人が居る人は心もポジティブな状態でいられます。そのためには、自分自身も自立して生きている事です。寄りかかり、傷を舐め合うようになってしまっては、パートナーシップは築けません。私はその自立した状態を「静寂を持っている」と表現しているのですが、自分の意見を持って個として生きてこその、パートナーシップだと思っています。
若い頃は突っ張りまくって、常に何かと戦う事でテンションを上げていたのですが、今はやっと落ち着いてきました。戦いもせず寄りかかりもせず、自分がありのままで、自由無碍な自分で居る。しがらみなどは勿論の事、自分の築き上げてきた過去にすら囚われることなく、淡々と自分の足で明日に向かって生きて行く、そんな「静寂」を常に持っていたいものです。
少しお知らせを
昨年担当したeテレの「100分de名著」が再放送されることになりました。時間は以下の通り、再放送の更に再放送があるので、ちょっと判りずらい表示なのですが、HPを是非ご覧になってみてください。

5月11日、13日の4日間で、それぞれの会に再放送が以下のようにあります。
- 第一回
- 5月4日(月)午後10:25~10:50
- 再放送
- 5月6日(水)午前5:30~5:55
- 5月6日(水)午後0:00~0:25
- 第二回
- 5月6日(月)午後10時25分~10時50分
- 再放送
- 5月8日(水)午前5時30分~5時55分
- 5月8日(水)午後0時00分~0時25分
- 第三回
- 5月11日(月)午後10:25~10:50
- 再放送
- 5月13日(水)午前5:30~5:55
- 5月13日(水)午後0:00~0:25
第四回
5月13日(月)午後10時25分~10時50分
再放送
5月15日(水)午前5時30分~5時55分
5月15日(水)午後0時00分~0時25分