昨夜は、第112回琵琶樂人倶楽部をやってきました。嬉しい事に前回に続き、今回もフルハウス!!何だか盛り上がってきました。昨夜のゲストは、世界的に活躍されてきたフルーティスト久保順さん。久保さんには今回はあえて龍笛を吹いてもらいました。そして京都から琵琶サークル「音霊杓子」のお二人が駆けつけてくれたので、笙の演奏と今様の歌で加わって賑々しくやってまいりました。

久保さんとは日本書紀の会でいつも御一緒させてもらっているのですが、今回は「越天楽」、「越天楽今様」、「静夜譜~海青楽による」の3曲を笙を加えて3人の演奏でやってもらいました。笙が入ると一段と雰囲気が出ますね。雅楽や平安時代のことなどをレクチャーしながらやったのですが、随分と会が華やかになり、とてもよい雰囲気で進行することができ嬉しかったです。途中「静夜譜」でちょっと絃が暴れましたが、後半にはピッチも安定し、まずまずの感じでした。お客様にも「啄木」や「虹の唄」の持つ独特の空気感が伝わったと思います。
琵琶樂人倶楽部看板絵
琵琶樂人倶楽部も色んな人が集い、発足当初から理念としていた「琵琶楽を多くの人に届け、様々な琵琶の生の姿を聴いてもらう」というものが自然と出来てきました。それにしても10年とは長い年月です。10年というと何だか凄い感じがしますが、毎月の琵琶樂人倶楽部は、あまりにも自分の中で当たり前過ぎるほどの日常になっているので、10年という実感が無い、というのが本音です。まあ10年前の自分の写真を見ると、確かに時の流れを随分と感じますが、あっという間というのはこのことですね。
今迄に色々な方々にゲストで来ていただきましたが、若手の演奏家も結構沢山出てくれました。これからはもっと若手の方に出ていただきたいですね。お上手を目指している優等生は流派の会にでも出れば良い。上手いも下手も無く、もっと個性を発揮して表現したいという想いに溢れた若者にこそ、琵琶樂人倶楽部は寄り添いたいと思っています。我こそは、と思う方、琵琶に限らず笛でも尺八でも結構ですよ。チャレンジして下さい。
これからも理念もヴィジョンも変わらずに淡々とやって行きます。どうぞお気軽にお越し下さいませ。

もう一つ、昨年から始めた定例会「日本橋富沢町樂琵会」もだんだん良い形で定着してきました。こちらは毎回ベテランの演奏家を呼んで演奏をたっぷりと聴いていただくことを趣旨にしていますので、レクチャーなどはやりません。じっくり聴いていただく会です。最近はなかなか盛況になってきて、色んなつながりがここから始まってきました。
今月は20日の木曜日に、尺八の吉岡龍見さんをゲストに迎えてやるのですが、そこに、なんと何時も舞台「良寛」でご一緒させて頂いている、能の津村禮次郎先生が特別出演してくれる事になりました。昨年12月の会の興奮も冷めやらず、再びの登場です!!
2017年3.11安洞院「良寛」公演にて
更に、曲は拙作「まろばし~尺八と琵琶のための」で舞っていただきます。いつかこんなコラボが実現するのではないかと思っていましたが、私の一番の代表曲で津村先生と共演出来るとは・・・。曲もなかなかスリリングですが、そこに津村先生の舞が入るとかなり面白い展開になることは間違いないです。ご興味のある方、目の前で観ることが出来るこの機会を是非お見逃し無く!!!滅多に無い機会だと思います。
お問い合わせはオフィスオリエンタルアイズ(HPよりmail toで)までご連絡下さい。

私は自分なりの活動しか出来ません。地味も地味、世間の流行とは間逆を行くような足取りではありますが、これからも思うところを思うようにやって行きたいです。
ほぼ100%自分の創った楽曲で演奏会もお仕事も全てさせてもらっているというのはありがたいことです。自分で創ったものを聴いていただくというのは音楽家として実に嬉しいですし、自分で「やっている」という実感がとても強く感じられます。こうして琵琶という楽器を生業とさせてもらって生きて来られた事に、感謝しかないですね。
これからの行く末がどうなるか判りませんが、自分なりの歩みで、行くべき道を進むのみです。