三河路をゆく~豊田能楽堂演奏会

先日、愛知県の豊田能楽堂にて演奏してきました。

日本における琵琶の歴史を古代から現代まで辿るという企画で、琵琶楽研究の薦田治子先生の解説を交えながら、各琵琶楽を代表する方々に交じって演奏させて頂きました。

今井検校勉(平家琵琶)
須田誠舟(薩摩琵琶正派)
奥村旭翠(筑前琵琶)
田中之雄(鶴田流琵琶)
塩高和之(樂琵琶)
薦田治子(解説)
柳沢新治(企画構成)

それにしても凄いメンバーですね。よくぞ私を選んでくれました。

私は一番最初の出演で、今昔物語の蝉丸と博雅の逢阪山での出逢いの場面、そして「啄木」の独奏をやらせて頂きました。久しぶりに楽坐での演奏でしたので、足がちょっと・・・・。

 

能楽堂に雅楽の衣装というのも変わってますが、しょっぱなからこの格好で出てきたので、お客様には随分とインパクトがあったようです。

薦田先生(私の右側)、今回私が弾いた樂琵琶を作ってくれた愛知在住の琵琶制作家 熊澤さん(私の左側)らと
今回は琵琶製作の石田克佳さん、熊澤滋夫さんが駆けつけてくれまして盛り上がりました。私は今昔物語では熊澤製の琵琶、啄木では石田製の琵琶を弾いて、音色の違いも聞いて頂きました。またこの会では偶然にも、須田先生が石田さんのおじい様が作った琵琶、田中先生がお父様の作った琵琶、私が克佳さんの作った琵琶を弾き、石田琵琶三代揃いぶみとなりました。

こういう機会は滅多にないので、とても良い機会となりました。田中先生とお会いするのも、もう何年振りでしょうか。ゆうに5年は経っていると思います。須田先生、今井検校ともお話しする機会はこれまでありませんでしたので、貴重な時間を頂きました。
東京や京都の友人達も多数駆け付けてくれて、本当に嬉しかったです。推薦してくれた薦田先生には感謝しかないですね。

公演の前日、昼頃には豊田に到着していたので、周辺のお寺や神社をてくてくと歩き回ってきました。

    

何も無いといえば何も無いのですが、こういう所をゆっくり観て周っていると色々な発見があります。今回も面白かったです。こういう時間も旅の良さですね。私は車の運転はしないのですが、なるべく前後にこんな時間を作ってそれぞれの地を歩き回る事にしています。何処へ行ってもバスに乗って、てくてくと歩いていると、かえって色んなものが見えて来るのです。旅は面白いですね。

今年はまだまだ演奏会は続きます。今週は府中市民講座の第3回目、そして笛の大浦さんとの毎年定例 北鎌倉古民家ミュージアムでの演奏会があります。まだまだ気が抜けません。

道遥かではありますが、自分の道を歩いているという実感はなかなか良いものですね。自分のペースでしか歩けませんが、これからもずっと歩いて行こうと思います。

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