先日箱根岡田美術館での演奏も終わり、のんびりしたい所ですが、次々と迫る演奏会の準備とレクチャーのレジュメ書きに追われ、ゆったり気分は無いのですね。しかしこれも演奏家として有難いこと。どんどんやって行きますよ!。この秋はちょっと面白い演奏会が目白押しですので先ずはご紹介です。
27日に鶴川にある和光大学ポプリホールという所でフラメンコギターの師匠でもある日野道生先生と演奏します。日野先生と組んだ演奏も今回で二回目なのですが、このシリーズがこれから発展して、ウードの常味裕司さんも加えトリオで演奏会をやって行くことになりました。

スケジュールは
10月27日 和光大学ポプリホール(日野・塩高) 14時開演
11月19日 西荻窪 音や金時(日野・常味・塩高)19時30分開演
12月25日 参宮橋 リブロホール(日野・常味・塩高)19時30分開演
題して「弦流」という名前でやる事になりました。

ペルシャ辺りから始まった弦の流れが西に行ってギターと成り、東に行って琵琶となった事を考えると実に面白い組み合わせだと思います。両先輩は20年前からよく一緒にやっていたようなのです。私は初めてですのでどこまで追いついて行けるか判りませんが、是非内容の高いものをやって行きたいものです。
この秋は浜松のシルクロードミュージアムでのソロ公演も来月ありますし、来月末には豊田能楽堂にて、琵琶の諸先輩と琵琶楽の様々なスタイルを披露する興味深い会もあります。是非是非お越しくださいませ。
こうした繋がりはとても興味深いのです。私は元々シルクロードオタクではあるのですが、正にシルクロードが繋ぐ出会いだと思っています。やはり自由に動き回っていると色々な出会いに恵まれますね。

舞台に立つとは正にコミュニケーションを持つということ。今まで出会わなかった人と出会うことだと私は思っています。フラメンコギター、ウード、琵琶という稀有な出会いは、私が常に舞台で活動しているからこその賜物だと思っています。上の写真はダンサーのヤンジャさんと2008年に横浜のZAIMでやったパフォーマンスですが、こんな試みが人を呼び、今まで琵琶を聞いたことのない多くの人達と繋がりました。こういう活動もどんどんやって行きたいと思います。
少なくとも関係者やお弟子さん、知り合いに招待券をばらまいてご祝儀を頂くような事はやりたくないですね。そんな邦楽会の満席の会場を見ると何とも寂しい気持ちになります。ドメスティックな視野と感性は音楽と正反対なもの。音楽家は常に感性が外に開かれていなければ、いつまで経ってもお稽古事の域を越えられません。リスナーとも共演者とも色々な人と繋がって行くべきだと思っています。自分が演奏して満足するのではなく、音楽を届け、愛を語り、多くの人達と分かち合うのが音楽家というものではないでしょうか。

この秋は面白い仕事がいくつも続いています。とにかく良い仕事をどんどんとして行きたいですね。それが私に与えられた仕事だと思います。