先日の「良寛」の舞台が終わりでホッとしていたら、もう1月の後半、。瞬く間に時は流れて行きますね。この所の暖かさもあって、そろそろ梅の花が気になるのは気が早いでしょうか・・・・・。

昨日はICJCの学生さんが来て、月末にやるコンサートの練習を我が家でしていました。ICJCでは、日本文化を外国人に教えているのですが、特に10代の若者達が筝曲を熱心に勉強しています。昨年一緒にイベントで演奏した玲央君もそうですが、昨日来たU君もかなりの腕をしています。頼もしいですね。
U君はこの秋からアメリカの大学でパフォーマンスアーツを勉強するとの事で、既にNYには友人も居てバンドを組んでいるそうです。「世界に音楽を発信するには東京より、NYの方が適していると思うので、NYで活動をしていきたい」なんて会話が普通に出て来ます。我々とは環境が違うという事もありますが、既に10代にして東京とNYの両方に活動基盤があるというのは素晴らしい事ですね。勿論日本語英語両方が使えるという事も大きいと思いますが、この視野の広さ、感覚の大きさが今、邦楽人、いや日本人全体に一番欠けている所ではないでしょうか。これだけ世界が繋がっている時代に、偏狭な村意識しかもっていなかったら何も生み出せないと思うのは、私だけではないでしょう。
私も私なりに色々と考えを巡らせてはいるのですが、下手な考え何とやらで、気が付かない内に小さな世界に囚われていることが往々にしてあるものです。私は色々な人に会って話をすることで、あらためて自分自身が見えて来るし、視野も広がり、また大きなヴィジョンも定まってくる感じがします。どこに視線を向けて行くか。これが自分に大きな変化をもたらしますね。
日々出逢う人の中でも、生き生きと活動している人からは、若手ベテランの区別なく大いに刺激を受けるものです。フレッシュな感覚とでも言いましょうか・・。そんな人々は常にアンテナを色々な方向に向け、様々なものに興味を持っていますね。好奇心が湧き上がるように溢れて来るからこそ生き生きとして、幅広い感覚で生きていられるのでしょう。特にトップランクを張るベテランは、好奇心もさることながら専門分野以外の知識や造詣が皆さんはんぱではないです。だから酒を呑んでも仕事をしても話は尽きず、また会いたいといつも思わせる。素晴らしいパワーです。

文化が熟成して行くには、色々なものを受け入れて行く柔軟性、多様性が必要だという事は何度も言われています。国単位、民族単位ではなく、あらゆるものとの共存の中で、自らのアイデンティティーを確立して行かなくてはならないのが現代に生きる我々の定めとも言えます。多様性というものを大切にし、大きな繋がりの中で自分をどう捉えて行くか、現代人には問われているような気がします。今こそ新たな哲学が必要だと私は思っています。

世界が繋がり、私のCDですら世界中の人がネットでクリックひとつで購入出来るのが、現代という時代です。全世界が今までとは違うステージに足を踏み入れているのです。邦楽も、それに関わる人達が「どこを見ているか」、未来はその一点にかかっているように思います。もう小さな枠や日本という括りで生きて行けるような時代ではないのです。
今こそ語り合いたいですね。あなたはどんな夢を持っていますか。