少し前になりますが、Met Live viewing「仮面舞踏会」を観てきました。


そして今回は、圧倒的なメゾソプラノ ステファニーブライス(写真右)が凄い。凄い!。声量・太さ・歌唱力がずば抜けているのは勿論なんですが、出てきただけで場をかっさらってしまう存在感は、観ていて気持ち良いです。ぜひホロフトフスキーと共に生の声を聴きたいです。
ホロフトフスキーのアリア
他の出演者では、王グスタヴ役のテノール マルセロ・アルヴァレスも良い声をしているし、三角関係で悩む人妻アメーリア役のソンドラ・ラドヴァノフスキーもヴェルディ作品では有名なだけに、大変レベルが高く、聴きごたえがありました。また今回はグスタヴの従者オスカル役をやったキャスリーン・キム(写真左)がナイスキャラでいい感じでした。いわゆるズボン役なのですが、男か女か判らないキャラ設定が小柄な彼女にぴったり。映像ではこんな感じでした。勿論歌唱の方も素晴らしい技術で、演技の方も秀逸でした。
やっぱりオペラは華やかです。邦楽でもぜひこの華やかさが欲しいですね。お祭り的なただその場を盛り上げるだけのものではなく、その魅力に日本人のみならず、世界の人々が惹きつけられるような、華やかで且つクォリティーの高い舞台がもっと沢山生まれて欲しい。邦楽には今変化が求められていることは確実だと思います。
残念ながら邦楽全体には、素晴らしい曲をどう聞かせ・観せるかという「プロデュース」という意識が低過ぎる。未だに上手とか、正当とか、そんなお稽古事レベルの競争をして、小さな村に閉じこもっている。
世の中は常に変化しているのですから、今や世間の誰からも理解されないような慣習・やり方はもう変えましょう。世の中と共にあるのが音楽の使命ではないですか!。古典(似非古典ではなく)を勉強し、その土台を持って、現代の日本音楽の舞台を創造しよう!!

それにしても、こういう素敵な舞台を観終わった後は、気持ち良いですね。私もこういう仕事をしてみたい。私が出来ることは限られていますが、広い視野と大きな
器を持ったプロデューサーとぜひ一緒に組みたいですね。オペラの真似をするのではなく、あくまで我々独自のやり方で、世界に発信できるよう
な音楽・舞台に関わって行きたいものです。