薩摩琵琶三流派対決2013

今年も新春恒例の薩摩琵琶三流派対決をやってきました。今回も琵琶の制作家でもある石田克佳さんを迎え、「女性を主人公にした琵琶曲」というテーマでやりました。石田さん2013-1-9-2には私の使っている琵琶の全てを作ってもらっていて、彼の存在なしには私の音楽はあり得ないという位お世話になっている方なのですが、演奏家としても、薩摩正派をきっちり演奏する貴重な存在です。今琵琶界になくてはならない方ですね。写真は石田さんと古澤さん、私に加え、御来場の薩摩4弦のベテランOさんです。流派を超えて交流できるのが琵琶樂人倶楽部の良い所!。どんどん垣根を外して越えて交流を深めて行きたいと思います。
今日の演目は古澤さんが「潯陽江」の上段、石田さんが同じく「潯陽江」の下段、そして私が「静~緋色の舞」という演目でした。

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琵琶樂人倶楽部ももう足掛け7年という事ですっかりライフワークになって来ていますsmall。この看板絵も大分定着してきました。ありがたいことに年々琵琶の仕事も充実して来ていますので、もうライブ感覚の演奏はきっぱり卒業して、私の主催や企画を中心にしていこうと思っています。私は活動の最初から、全て私の作曲作品でしたし、他の人と組んでも私の作品を演奏していますので、スタイル自体は最初からかなりの主張を持ってやっていたのですが、曲だけでなく活動についても、もう自分のやり方を明確に打ち出す頃だと思っています。

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若い筝曲家が「文化とは現代に生きる人が創るものだ」と某雑誌に書いていましたが、私はその意見の全面的に賛成です。
何時も書いているように、薩摩琵琶には古典となるような曲がほとんど無い。特に錦琵琶(五弦薩摩)の方は楽器が出来あがってまだ間もないのですから、全てが現代曲です。古典曲というものはあり得ない。そんな状況の中で、琵琶が今、魅力的な音楽として響いているでしょうか?音楽を聴いて、感動が沸き起こらなければ人は動きません。教養・お勉強になってしまっては、もはや音楽ではないのです。先ずは何よりも琵琶楽が魅力的な音楽であって欲しいし、その方向で、作曲・演奏の活動を広げて行きたいと思います。

DSC09916先日HPをリニューアルしましてサイト(http://biwa-shiotaka.com/)内の「works」というコーナーを整理してみましたら、15年前から40曲以上を作っていました。勿論現在のレパートリーとしては半分がいい所ですが、こうして曲を書いて、演奏してゆくことが一番私らしいのだと、あらためて納得しました。正しい史観を持ち、古典となる雅楽や平曲、能、そして文学、歴史に視点を持ち、現代の琵琶楽を創って行くのが私には良いようです。私は先生として教えるのは、あまり得意でないのですが、これからもより私らしいやり方で、私の音楽をやって行こうと思います。
今年は他にも新機軸を考えていますので、また決まり次第お知らせさせて頂きます。

さあ今年も希望が湧いてきました!


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