ちょっと更新が滞ってしまいました。調子も戻りこれから本腰を入れていきますので、是非また御贔屓に。
少し前にBoth sides nowというタイトルの記事を書いたら、早速多くの反応を頂きました。皆さん私と同世代かそれ以上の方々ばかりですが、嬉しいですね。このBoth sides nowはジョニミッチェルが歌った曲で、邦題が「青春の光と影」。ジョニミッチェルはジャズミュージシャンとの共演も多い方で、同世代にはぐっとくるんでしょうね。
それにしても「光と影」なんとも惹きつけられる言葉ですね。誰しも自分の中に光と影を持っていることと思います。私も光と影を持っています。影は普段表に現れませんが、自分の影の部分に対し目をそらさずにしっかりと見つめることは、光の中へと進む事にも繋がると思いますので、影は決して無駄でも、邪魔なものでもないのです。むしろ影があるからこそ、今の私があると思っています。
C.G.ユングは「影は、我々人間が前向きな存在であるのと同じくらい、よこしまな存在である。我々が善良で優れた完璧な人間になろうと努めれば努めるほど、影は暗くよこしまで破壊的になろうとする意思を明確にしていく。人が自らの容量を超えて完全になろうとするとき、影は地獄に降りて悪魔となる。なぜならばこの自然界において、人が自分自身以上のものになることは、自分自身以下のものになるのと同じくらい罪深いことであるからだ。」と言っていますが、胸に迫る言葉ですね。ユングに関してはまた機会をあらためて・・・。
私が従来の邦楽にどこか距離を置いて、独自の探究をするのは、現在の邦楽に影の部分をあまり感じないからかもしれません。歴史を見てみると、色々な影があったと思いますが、現代の邦楽にはあまり感じません。私は音楽の中に存在する光と影を感じ、見つめていきたい。音楽の中に光と影があることは、人間の営みとして当然だと思いますし、またなくてはならないと思います。
さて、今月はやっと演奏活動も色々と入っています。スケジュールのブログをご参照ください。まずは再びの勧進帳。これは12日に両国でやります。そして7年に渡り毎年恒例で、様々なゲストを迎えてやっているグリーンテイルでのライブが19日にあります。これまで尺八だけでも中村仁樹、岩田卓也、田中黎山、香川一朝の各氏を迎えましたが、皆さん個性が違うので、毎回大変楽しみなのです。
グリーンテイル http://www7a.biglobe.ne.jp/~greentail/ ライブ2というところをクリックしてみてください。今回は新作も演奏予定です。
プラトンの「饗宴」によれば、人は人生において「かたわれ」を求めるといいます。それは人生のパートナーというものだと思いますが、光と影もまた自分の中のパートナーなのかもしれません。