先日の津田ホールでの21世紀トリオコンサートはとてもよい感じで演奏することが出来ました。
終演後、作曲の郡司君、太鼓の壱太郎君と、21世紀トリオのメンバーでお疲れ様のご挨拶
思えば昨年の11月1日。ちょうどぴったり1年前に、プロデューサーの久保木氏のお声がかりであの3人が会い、津田ホールに至ったのです。内容的にも1年間、小中規模のライブを重ねて来たお陰で、これまで一番充実した演奏が出来たと思っています。
今回はプログラムも良く、夫々の個性が際立っていて、充分に演奏することが出来ました。御来場の皆様、本当にありがとうございました。
さて、私はこの所本当に旅がらすでして、津田ホールでは打ち上げにも出ないで、直ぐに大分に向かいました。
3日の文化の日には、大分能楽堂で、横笛の福原百桂先生の会にゲスト出演してきました。ここは、以前のブログでも紹介しましたが、先日亡くなった寶山左衛門先生と共演した場所であり、私の邦楽人としての出発点といっても良いところなのです。もちろん今回は、六代目福原百之助こと寶山左衛門先生の追悼の会でもありました。
左から、福原百桂先生、福原道子先生、首藤順子さん、私
今回は寶先生の娘でもある、笛奏者の福原道子先生と私、そして語りの首藤順子さんの3人がゲストでした。
皆で寶先生の思い出話をしていたのですが、どの曲でも、どの場面でも先生との思い出が甦ってくるようで、ずっと寶先生に包まれて演奏しているみたいな気分になりました。本当に良い機会に呼んで頂いて、感謝しています。
前回寶先生と共演した時と同じ「花の寺」という先生の作品を、今回は百桂・道子両先生と私で演奏してきました。前回共演した先生の孫の健太郎さんは今や、七代目福原百之助を襲名して、流派の家元としてがんばっています。色々な意味で大分能楽堂は忘れられない場所となりました。
百桂先生、道子先生そして名取りの方々と
一緒に。
今回は外国の方で笛を勉強しているパトリックさんとメリッサさんも舞台でがんばりました。大学で文化人類学を勉強しているそうです。
そんな大分でもう少しゆっくりとしていたかったのですが、直ぐに東京に帰り、また週末には関西へとむかいます。週末は、今年の春にしだれ桜の下でやった、南禅寺畔の清流亭で、今度は楽琵琶による演奏をしてきます。
雅楽の楽人装束を着ての演奏は久しぶりです。ここは重要文化財にも指定された、とてもいい感じの建物と庭なんです。楽しく演奏出来そうです。
この後も帰ってきて直ぐに、フリージャズのライブが待っているという、なんとも刺激的なお仕事が続きます。
ドビュッシー、邦楽、雅楽、フリージャズと、まあ脈絡もなくやっていますが、全部私の中では何の違和感もなく溶け合っているのです。
お大師さんは「二項が一つに溶けあってゆく(正邪・日月など)」という考え方が大変お好きだったようですが、私も色々な音楽が自分の中に溶け合い同居して、私という音楽世界が形成されている、そんな風に考えています。
さて、どうなる事やらと思われた怒涛の演奏会も、あっという間に過ぎ去って、また明日から旅がらすです。
どこかで見かけたら声をかけてやってください。