昨日、川崎能楽堂での「まろばしセカンドコンサート 春の宴2010」が終わりました。
いつも演奏会は一人、もしくはデュオでやっているので、今回のようにグループでの演奏会は年に数回しかありません。それでもこの「まろばし」は私の作曲作品を中心に演奏するので、気合が入ろうというもの。
今年も新曲をいくつか書き、メンバーも昨年と変わったので、良い発見もあり、それなりの収穫を感じました。
今回は私の作品の中から「花の行方」と「まろばし」の二曲を、夫々昼は尺八で、夜は篠笛で演奏してもらい、作曲した私が学ぶ所が多々ありました。演奏は若手の尺八奏者 田中黎山君とベテラン笛奏者 金子弘美さんという両極端なお二人。
田中君の凛とした佇まいと演奏は、パワーに走ってしまいがちな若手の演奏家の中にあって実に端正な趣があり、貴重な逸材だと思います。「まろばし」「花の行方」共に期待以上の演奏で答えてくれて嬉しかったですね。
方やベテランの金子さんも結してパワーで押さない、とても清い演奏でした。特に筝とのデュオ「花の行方」は大変美しい世界を描いてくれたと思います。
私は以前からグループで演奏する曲に関しては自由な空間をなるべく作って、私の器以外の器を取り入れるようにして曲そのものを成長させるようにしてきました。もちろん逆に曲がしぼんでしまう事もありますが、なるべく演奏する側が考え、自分なりのアプローチで曲を演奏するような方向が一番だと思っています。
その為には、私がメンバーの質を生かすような曲を書かなければいけないのですが、グループでの演奏に関しては果たしてそれが出来ているかどうかいつも疑問が残ります。今回はデュオ曲に関してはとても満足しましたが、その他の曲ではまだまだ改善の余地アリ、という気持ちが残りました。
これからもまだまだ精進は続きます。
こういう演奏会の後はでっかい世界に身を浸して、
(photo 森修)
それから小さな自然の美しさにも心をゆだねて自分を浄化します。
(photo 森修)
さて今日は一日ゆっくりしたので、また明日から動き出します。どんなものでもやればやるほど勉強になるし、得るものも多い。
自分のヴィジョンに向かってどんどんと走ってゆきます。
NEXT ONEをご期待下さい。