夕暮れコンサートVol.9 

昨日は練馬のカフェ グリーンテイルにてサロンコンサートをやってきました。

ここグリーンテイルでは毎年5月と12月に定例でやっていて、毎回相方を変えて、もう9回目の演奏会となります。これまでの出演者は、笛の福原百七さん、筝の小笠原沙慧さん、尺八の香川一朝さん、笛の大浦典子さんなどなど実力者ばかりを誘ってやってきたのですが、今回は期待の若手、尺八の中村仁樹君に声をかけて演奏してもらいました。

彼とは今年の日本橋劇場での「和の煌き」などで共演して、今月末にも渋谷松涛のタカギクラビアサロンでも一緒にやる予定なのですが、演奏の相性も良く、良いアンサンブルが出来る貴重なパートナーです。
ちなみに私と中村君では親子ほど年が違うので、中村君からは「チャン」と呼ばれています。GT2009・12-3

今回はデュオの演奏を多くして、薩摩と尺八で「まろばし」、楽琵琶と尺八で「ルナリアンダンス」「塔里木旋回舞曲」など演奏してきました。特に「まろばし」はウズベキスタンのイルホム劇場でやってきたばかりなので、今回はその違いがなかなかスリリングでした。中村君、ネイに負けてなかったぞ!!

中村君はとにかく良く練習をするのです。だからどんな曲も安心して任せられるのです。逸材ですね。若さ溢れるパワー感も時に過剰ではありますが、それもまた好感が持てるし、高い技術と熱心な向学心も持っているので、これからが楽しみです。

今回は最後のアンコールでお経の「開経偈」をやったのですが、私は琵琶を弾かず、唄と尺八のデュオでやりました。これがとってもいい感じで嬉しかったですね。中村君はお寺の息子さんなので小学生の頃からお父さんと一緒に本堂で朝のお勤めをしていたそうで、もう開経偈なんかは体に染み付いている感じで、尺八と唄がピタリと寄り添って気持ちよかったです。

IMGP0542こちらはこのサロン、グリーンテイルのマスターです。毎回本当にお世話になっています。芸術に理解のある方で、いつも終わってからの打ち上げタイムが盛り上がります。音楽の話はもちろんのこと、カメラ、オーディオ、時計、ジオラマ・・・話が止まりません。ちなみに私がついてゆけるのは、オーディオと時計位です。

私が琵琶で活動を始めた頃、とある邦楽プロダクションの方が、「小さいサロンコンサートを毎月やれ」と言って背中を押してくれました。
縁あって最初は大阪を中心に始めたのですが、小さなサロンや喫茶店、ギャラリーなどで、月に多いときには10本位やってました。その時の経験が今の私を作ってくれたと言っても過言ではありません。

だから今でもこうしたサロンコンサートは私の原点として大切な場であり、一番楽しい時間でもあります。
このグリーンテイルでは、毎回来てくれる常連さんもいて、毎回ゲストを迎えて本当に充実した演奏をさせてもらって、私にとって本当に素敵な空間
になって来ています。

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こちらは琵琶修行中の青年と中村君。こういう世代がどんどん活躍して欲しいですね。

さて来週はお江戸日本橋亭にて薩摩琵琶の四弦と五弦の対決。まだ少しお席もあるようですので、御興味のある方は是非聴きに来てください。

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